自己破産の費用はいくら?相場と払えない時の対処法を解説

「自己破産を考え始めたけれど、費用がいくらかかるのか分からない」「費用を払えないと、自己破産の手続きもできないのでは」と不安に感じていませんか。

自己破産の費用は、主に「裁判所に納める実費」と「弁護士・司法書士などの専門家費用」に分かれます。さらに、同時廃止になるか、管財事件になるかによって裁判所費用が大きく変わります。

東京地方裁判所の例では、同時廃止の裁判所実費は19,496円、弁護士が代理人となる個人管財は226,847円〜です。ここに専門家費用が加わりますが、弁護士・司法書士報酬に全国一律の基準はありません。

この記事では、裁判所や法テラスの最新情報をもとに、自己破産の費用、内訳、支払うタイミング、費用をすぐに用意できない場合の対処法を整理します。

最後まで読むと、ご自身のケースで必要になりそうな費用を計算し、相談時に何を確認すべきかが分かります。

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目次

自己破産の費用相場はいくら?同時廃止・管財事件別に比較

自己破産の総額は、裁判所実費と専門家費用の合計です。裁判所実費は申立先や手続きによって異なり、専門家費用も事務所ごとに設定されるため、全国一律の総額相場はありません。

費用の内訳は、大きく分けて次の2つです。

  • 裁判所に納める実費
    • 申立手数料、予納郵券、官報公告費相当の予納金、管財事件の引継予納金など
  • 専門家費用
    • 弁護士・司法書士に支払う相談料、着手金、報酬金、実費、日当など

まずは、公式に確認できる裁判所実費を基準に、専門家から受け取った見積額を足して考えると分かりやすいでしょう。

自己破産費用の手続き別目安

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手続きの種類主なケース裁判所実費の目安専門家費用総額の考え方
同時廃止換価できる財産が乏しく、破産管財人による調査が不要な場合約2万円
東京地裁例:19,496円
事務所ごとに異なる裁判所実費+専門家の見積額
個人管財
(少額管財)
財産調査・換価・免責調査が必要な場合約22.7万円〜
東京地裁例:226,847円〜
事務所ごとに異なる裁判所実費+専門家の見積額
通常管財本人申立てや、財産・取引・事業関係が複雑な場合など裁判所が個別に決定
東京地裁の本人申立て・自然人は引継予納金50万円〜
依頼内容により異なる裁判所決定額+専門家の見積額

上記の東京地裁例には、申立手数料、予納郵券、官報公告費相当の予納金が含まれます。個人管財では、さらに最低20万円の引継予納金が含まれています。

弁護士費用には全国統一の報酬基準がないため、「同時廃止なら必ず総額○万円」とは言い切れません。相談時には、同時廃止の場合管財事件になった場合申立て後に管財事件へ変更された場合の3パターンで、裁判所実費を含む総額を確認しましょう。

自己破産の費用が大きく変わる理由

自己破産の費用に差が生じる主な理由は、破産管財人が選任されるかどうかです。

破産管財人を選任せずに終える同時廃止では、引継予納金はかかりません。一方、管財事件では、破産管財人による財産調査・換価・配当や免責調査に充てる引継予納金が必要です。

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手続き特徴費用が変わるポイント
同時廃止換価できる財産が乏しく、破産管財人を選任せずに手続きを終える場合引継予納金が不要
個人管財
(少額管財)
弁護士代理を前提に手続きを効率化し、予納金を抑える運用。名称や条件は裁判所ごとに異なる引継予納金が必要
東京地裁例:最低20万円
通常管財本人申立てや、財産・取引・事業関係が複雑で詳しい調査が必要な場合予納金は負債額や事案を踏まえて裁判所が決定

破産法上は管財事件が原則で、財産が極めて少なく、手続費用も賄えないと裁判所が認めた場合に同時廃止となります。本人や弁護士が同時廃止を希望しても、最終的な手続きの選択は裁判所が判断します。

費用総額が変わる主な要因

自己破産の費用は、主に次の要因で変わります。

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要因費用に影響する理由
手続きの種類同時廃止か管財事件かで、引継予納金の有無や金額が変わります。
財産・取引履歴不動産、車、保険の解約返戻金、退職金見込額、事業用資産、大きな入出金などの調査が必要だと、管財事件になる可能性があります。
債権者数借入先や滞納先が多いと、予納郵券や書類作成の負担が増える場合があります。
裁判所ごとの運用予納郵券、予納金、少額管財の名称・条件、納付方法は裁判所によって異なります。
専門家費用の設計着手金、報酬金、追加費用、実費の扱いが事務所ごとに異なるため、総額での比較が必要です。

相談前に、借入先の一覧、収入が分かる資料、預貯金・車・保険・不動産などの財産資料を整理しておくと、手続きの見通しや費用の見積もりを確認しやすくなります。

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自己破産の費用内訳は?裁判所に払う実費と専門家費用を分けて確認

自己破産の費用は、大きく分けると裁判所に納める実費と、弁護士・司法書士などに支払う専門家費用の2種類です。

支払う相手やタイミングが異なるため、見積書では両者が分けて記載されているかを確認しましょう。

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費用の種類支払う相手主な項目目安
裁判所実費裁判所申立手数料、予納郵券、官報公告費相当の予納金、引継予納金など同時廃止:約2万円
東京地裁の個人管財:約22.7万円〜
専門家費用弁護士・司法書士事務所相談料、着手金、報酬金、実費、日当など全国一律の基準なし
契約前の見積もりで確認

裁判所実費は、手続きの種類や裁判所の運用によって変わります。専門家費用にも全国統一の報酬基準はなく、事務所や事件内容によって異なります。

裁判所に支払う費用の内訳

裁判所実費は、自己破産の申立てを進めるために必要な費用です。ここでは、東京地方裁判所の令和8年1月1日現在の基準を例に説明します。

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項目内容東京地裁の例
申立手数料
(収入印紙)
破産手続開始申立てと免責許可申立ての手数料個人の自己破産・免責申立てで1,500円
予納郵券
(郵便切手)
裁判所が債権者などへ書類を送るための郵便料自己破産申立てで4,950円
官報公告費相当の予納金破産手続開始決定などを官報に掲載するための費用同時廃止:13,046円
個人管財:20,397円
引継予納金破産管財人の調査・換価・配当などに充てる費用個人管財:最低20万円
本人申立ての自然人:50万円〜の基準

申立手数料、予納郵券、官報公告費相当の予納金は、申立てに必要な基本費用です。引継予納金は、破産管財人が選任される管財事件の場合に必要になります。

東京地裁の裁判所実費例

東京地方裁判所の例では、同時廃止と個人管財で裁判所実費に約20万円の差があります。

項目同時廃止個人管財
申立手数料1,500円1,500円
予納郵券4,950円4,950円
官報公告費相当の予納金13,046円20,397円
引継予納金不要最低200,000円
合計19,496円226,847円〜

上記は東京地方裁判所の一例です。官報公告費相当の予納金を現金で納める場合は、裁判所が示す現金予納額となり、表の合計と異なることがあります。

裁判所実費は改定される可能性があるため、申立て直前に管轄裁判所の最新資料を確認しましょう。

裁判所によって金額や納付方法は異なる

裁判所に納める実費は全国一律ではありません。東京地裁では自己破産申立ての予納郵券が4,950円ですが、盛岡地裁本庁・管内支部の一覧では、同時廃止の本人申立てについて「110円×(債権者数+10)枚」と、債権者数をもとに算定する方式が示されています。

このように、必要な金額、切手の組み合わせ、納付方法は申立先によって異なります。実際に申し立てる前に、管轄の地方裁判所の案内や依頼予定の専門家へ確認してください。

専門家(弁護士・司法書士)に支払う費用の内訳

自己破産は本人でも申し立てられますが、申立書や財産資料の作成、裁判所からの照会への対応には手間がかかります。そのため、弁護士または司法書士へ依頼する方法があります。

ただし、弁護士と司法書士では対応できる範囲が異なります。

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依頼先できること注意点
弁護士申立代理人として、書類作成、裁判所・債権者対応、管財人とのやり取りまで対応できる料金は事務所ごとに異なるため、裁判所実費を含む総額の確認が必要
司法書士裁判所に提出する書類の作成を依頼できる地方裁判所の自己破産では申立代理人になれず、審尋や債権者集会などの裁判所対応は原則として本人が行う

弁護士費用の主な項目

弁護士費用は事務所によって料金体系が異なります。主な項目は次のとおりです。

項目内容
相談料正式に依頼する前の法律相談にかかる費用。
初回無料や債務整理相談無料の事務所もあります。
着手金依頼時に発生する費用。
分割払いに対応する事務所もあります。
報酬金免責許可決定など、契約で定めた結果に応じて発生する費用。
着手金に含め、別途請求しない事務所もあります。
実費・日当交通費、郵送費、コピー代、裁判所や管財人との面談対応の日当など。
対象と算定方法を契約前に確認します。

見積もりで確認したいポイント

弁護士費用は「着手金が安いか」だけで判断せず、手続きが終わるまでに必要な総額を確認することが大切です。

  • 着手金・報酬金・実費・日当を合計した専門家費用
  • 同時廃止から管財事件になった場合の追加費用
  • 裁判所実費が見積額に含まれるか、別途必要か
  • 分割払い・後払いの可否と支払期限
  • 法テラスを利用できるか

司法書士に依頼する場合の費用と注意点

司法書士報酬にも全国一律の基準はなく、事務所や書類作成の範囲によって異なります。見積もりでは、書類作成報酬だけでなく、裁判所実費や追加対応の費用も確認しましょう。

司法書士が書類を作成しても、裁判所では本人申立てとして扱われます。裁判所によっては、弁護士代理を前提とする個人管財・少額管財の運用を利用できず、引継予納金が高くなる可能性があります。専門家報酬が低く見えても、総額が弁護士依頼より低いとは限りません。

財産がある、浪費・ギャンブルなど免責に不安がある、個人事業主である、管財事件になる可能性が高いといった場合は、申立代理人になれる弁護士へ早めに相談するのがおすすめです。

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【手続別】自己破産の費用相場と判断基準

自己破産は、大きく同時廃止管財事件に分かれます。管財事件のうち、弁護士代理を前提に予納金を抑える運用は、裁判所によって「個人管財」「少額管財」などと呼ばれます。

名称、利用条件、予納金は裁判所ごとに異なり、どの手続きになるかは最終的に裁判所が判断します。

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手続き該当しやすいケース裁判所実費の目安総額の考え方
同時廃止換価できる財産が乏しく、詳しい調査が不要な場合約2万円
東京地裁例:19,496円
裁判所実費+専門家費用
個人管財
(少額管財)
財産調査・換価・免責調査が必要な場合約22.7万円〜
東京地裁例:226,847円〜
裁判所実費+専門家費用
通常管財本人申立てや、財産・取引関係が複雑な場合申立先と事案ごとに決定
東京地裁の本人申立て・自然人は引継予納金50万円〜
裁判所決定額+専門家費用
ポイント

費用を大きく左右するのは、破産管財人が選任されるかどうかです。管財事件になると引継予納金が必要になるため、同時廃止より裁判所実費が大きく上がります。

同時廃止事件|財産が少なく、調査が不要な場合の手続き

同時廃止事件は、換価できる財産が乏しく、破産管財人を選任しても手続費用を賄えないと裁判所が判断した場合に、破産手続開始と同時に破産手続きを終了する扱いです。

裁判所実費約2万円
東京地裁例:19,496円
専門家費用全国一律の基準なし
事務所の見積もりで確認
総額裁判所実費+専門家費用

同時廃止が見込まれやすいのは、たとえば次のようなケースです。

  • 現金・預貯金や換価対象となる財産が少ない
  • 不動産や高価な車、保険解約返戻金などの詳しい調査が不要
  • 浪費・ギャンブル、財産隠しなど、詳しい免責調査が必要な事情がない
  • 個人事業や複雑な財産・取引関係がない

財産額の基準は全国一律ではありません。東京地裁では、現金33万円以上、または換価対象となる個別資産が20万円以上ある場合などを管財事件とする例が示されていますが、基準未満なら必ず同時廃止になるわけではありません。

申立て後に財産の申告漏れや免責調査が必要な事情が判明すると、管財事件として扱われ、引継予納金や追加の専門家費用が必要になる可能性があります。

個人管財事件(少額管財)|財産や免責の調査が必要な場合の手続き

個人管財事件は、破産管財人が選任され、財産の調査・換価や免責に関する調査が行われる手続きです。東京地裁では、弁護士が代理人として申し立てる個人管財について、引継予納金の最低額を20万円としています。

裁判所実費約22.7万円〜
東京地裁例:226,847円〜
専門家費用全国一律の基準なし
事務所の見積もりで確認
総額裁判所実費+専門家費用

東京地裁で個人管財になり得る例として、次の事情が挙げられています。

  • 33万円以上の現金がある
  • 20万円以上の換価対象資産がある
  • 不動産、車、保険解約返戻金、退職金見込額などの財産調査が必要
  • 法人代表者または個人事業者である
  • 浪費・ギャンブルなど、免責に関する調査が必要

これは東京地裁の運用例です。個人管財・少額管財の名称、予納金、利用条件は裁判所によって異なるため、申立先の裁判所または弁護士に確認してください。

通常管財事件|財産や取引が複雑な場合の手続き

通常管財事件では、財産、取引、事業関係などを破産管財人が詳しく調査します。弁護士代理を前提とする少額管財の運用を利用できない本人申立てや、複雑な事案では、予納金が高くなることがあります。

裁判所実費申立先と事案ごとに決定
東京地裁の本人申立て・自然人は引継予納金50万円〜
専門家費用依頼内容と事件の難易度により異なる
総額裁判所決定額+専門家費用

通常管財になりやすいのは、たとえば次のようなケースです。

  • 弁護士を代理人としない本人申立て
  • 高額な不動産や事業用資産がある
  • 財産や取引履歴が複雑
  • 債権者数が多く、調査・配当の負担が大きい
  • 法人破産と代表者個人の破産が関係している

通常管財の予納金は、負債額や財産状況などを踏まえて裁判所が個別に決めます。費用が高くなりそうな場合は、早めに複数の専門家へ相談し、予納金の準備方法も含めて確認しておきましょう。

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自己破産費用を支払うタイミングと手続きの流れ

自己破産の費用は、最初に全額をまとめて支払うとは限りません。多くの場合、専門家へ支払う費用裁判所へ納める実費を、契約内容と手続きの進行に合わせて準備します。

どのタイミングで、誰に、何を支払うのかを確認しましょう。

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タイミング支払う相手主な費用
相談・依頼時弁護士・司法書士事務所相談料、着手金、実費の預り金など
申立てまで事務所または裁判所申立手数料、予納郵券、官報公告費相当の予納金
管財事件になる場合裁判所または指定先引継予納金
※東京地裁の個人管財では最低20万円
手続き中・終了時弁護士・司法書士事務所分割払いの残額、契約上の報酬金、追加実費など

相談・依頼時|費用総額と分割払いの条件を確認する

最初の相談・依頼時には、専門家費用の見積もりと支払条件を確認します。この時点で、同時廃止になった場合管財事件になった場合の両方を聞いておくことが大切です。

  • 専門家費用と裁判所実費を合わせた総額はいくらか
  • 分割払い・後払いに対応しているか
  • 裁判所実費をいつまでに預ける必要があるか
  • 管財事件になった場合、追加費用はいくらか
  • 法テラスを利用できるか

相談時には、借入先の一覧、収入が分かる資料、預貯金・保険・車・不動産などの財産資料、本人確認書類を用意しておくと、手続きの見込みや費用を確認しやすくなります。

裁判所への申立時|印紙・郵券・官報公告費相当の予納金を納める

裁判所へ申し立てる際には、申立手数料、予納郵券、官報公告費相当の予納金などが必要です。

同時廃止の場合、東京地方裁判所の例では裁判所実費は19,496円です。ただし、金額、切手の内訳、納付方法は裁判所によって異なります。

弁護士に依頼している場合は、実費を「預り金」として事務所へ預け、弁護士が申立時に納付することがあります。見積書で、預り金が専門家報酬と別枠かを確認してください。

管財事件になった時|引継予納金を準備する

管財事件では、裁判所が定める期限までに引継予納金を準備します。東京地方裁判所の個人管財では最低20万円です。

この費用は、破産管財人による財産調査、換価、配当などの手続きに充てられます。同時廃止では引継予納金はかかりません。

予納金に全国共通の分割制度はありません。管財事件が見込まれる場合は、申立て前から弁護士と積立額を決め、必要額を確保しておきましょう。

手続き終了時|報酬金や分割払いの残額を精算する

手続き終了時には、契約内容に応じて分割払いの残額、報酬金、追加実費などを精算します。報酬金を別途設けていない事務所もあるため、発生条件を契約書で確認しましょう。

免責許可決定を受けると、原則として破産債権の支払義務を免れます。ただし、税金、罰金、故意または重大な過失による一部の損害賠償、養育費など、免責されない債務もあります。

ポイント

費用で特に注意したいのは、管財事件になった場合の引継予納金です。同時廃止を想定していても、裁判所の判断で管財事件になる可能性があります。

相談時には、必ず「管財事件になった場合の裁判所実費と専門家費用の総額」まで確認しておきましょう。

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自己破産の費用が払えない時の対処法

自己破産の費用をすぐに用意できなくても、手続きを諦める必要はありません。専門家費用の分割払い、受任後の積立、法テラスの民事法律扶助などを利用できる可能性があります。

弁護士費用を分割払い・後払いにできないか相談する

自己破産を扱う事務所の中には、専門家費用の分割払いに対応しているところがあります。相談時に、頭金の有無、月々の支払額、支払開始時期、支払回数を確認しましょう。

確認したい項目
  • 頭金なしで依頼できるか
  • 月々いくらを、いつから何回支払うか
  • 裁判所実費も事務所へ分割して預けられるか
  • 管財事件になった場合の追加費用をどう準備するか

広告に記載された着手金だけで選ぶと、管財事件の追加費用、報酬金、実費などにより、想定より高くなることがあります。必ず見積書の総額で比較しましょう。

受任通知後に返済を止めて費用を積み立てる

弁護士が債務整理を受任すると、貸金業者などへ受任通知を送ります。貸金業法では、弁護士などから債務処理を受任した旨の書面通知を受けた貸金業者が、正当な理由なく本人へ直接取り立てることを制限しています。

受任後は、弁護士の指示に従い、対象となる債権者への返済を止めるのが一般的です。これまで返済に充てていた金額を、専門家費用や裁判所実費の積立に回せる場合があります。

流れ

  • 弁護士に相談し、委任契約を結ぶ
  • 弁護士が対象となる債権者へ受任通知を送る
  • 弁護士の指示に従い、対象債権者への返済を止める
  • 返済に充てていた金額を手続費用として積み立てる
注意点

受任通知だけで、すべての請求や手続きが止まるわけではありません。親族・知人など個人の債権者、保証人への請求、税金・社会保険料、公共料金、担保権の実行、訴訟や差押えは別途対応が必要です。自己判断で支払先を選ばず、弁護士の指示を受けてください。

親族・知人から援助を受ける

親族や知人から自己破産費用の援助を受ける方法もあります。ただし、お金の受け取り方や使い道は、通帳履歴などとともに裁判所へ説明できるようにしておきましょう。

注意したいこと
  • 援助金を、特定の債権者だけへの返済に使わない
  • 貸付なのか贈与なのかを明確にする
  • 貸付の場合、その親族・知人も債権者として申告する
  • 受領日、金額、使い道が分かる記録を残す

自己破産前に一部の債権者だけへ返済すると、偏頗弁済として管財人による否認の対象になったり、免責判断に影響したりするおそれがあります。援助を受ける前に、使い道を弁護士へ相談してください。

自己破産以外の債務整理も検討する

一定の収入があり、返済を継続できる見込みがある場合は、自己破産以外の債務整理が合うこともあります。ただし、費用の安さだけで選ばず、完済できる計画かを確認することが重要です。

任意整理

裁判所を通さず、債権者と将来利息・遅延損害金の減免や返済期間を交渉する方法です。減免が必ず認められるわけではなく、合意後は元金などを返済するため、継続収入が必要です。

個人再生

裁判所を通じて再生計画を作り、減額後の債務を原則3年、特別な事情がある場合は最長5年で返済する手続きです。要件を満たして住宅資金特別条項を利用すれば、住宅ローンを支払いながら自宅を維持できる可能性があります。

どの手続きが適しているかは、借金額、収入、財産、保証人の有無、自宅を残したいかなどによって変わります。費用だけで判断せず、無理なく返済できるかも含めて相談しましょう。

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費用が払えない場合に利用できる公的支援はある?

収入や資産が一定基準以下の場合、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。

法テラスの立替制度とは

法テラスの民事法律扶助は、経済的に余裕がない人を対象に、弁護士・司法書士費用などを立て替え、利用者が法テラスへ分割返済する制度です。利用には審査があります。

  • 収入・資産が一定基準以下であること
  • 勝訴の見込みがないとはいえないこと(自己破産では免責決定の見込みがあること)
  • 民事法律扶助の趣旨に適すること

法テラスの収入・資産基準の例

東京都特別区・大阪市などに住んでいる場合の基準例は次のとおりです。収入基準は、賞与を含む手取り年収の12分の1を目安に判断されます。

家族人数手取り月収の基準資産基準
1人200,200円以下180万円以下
2人276,100円以下250万円以下
3人299,200円以下270万円以下
4人328,900円以下300万円以下

上記を少し超えていても、家賃・住宅ローン、医療費、教育費などの負担がある場合は、一定額を考慮した結果、基準を満たす可能性があります。地域によって収入基準も異なります。

実際に利用できるかは、法テラスまたは法テラスと契約している弁護士・司法書士に確認してください。

法テラス利用時の自己破産費用の目安

法テラスが示す自己破産事件の依頼時費用(着手金・実費)の目安は、債権者数によって次のように分かれます。

債権者数着手金実費合計
1〜10社132,000円23,000円155,000円
11〜20社154,000円23,000円177,000円
21社以上187,000円23,000円210,000円

実際の金額は審査で決まり、事件の困難度などにより増減する場合があります。法テラスでは、自己破産事件の報酬金は原則として発生しませんが、過払金を回収した場合などは報酬金が発生します。

立替金の返済方法

法テラスが立て替えた費用は無利息で、一般には毎月10,000円または5,000円ずつ返済します。月額は審査で決まり、事件終了後は原則として3年以内に支払い終えるよう返済方法が定められます。

収入の減少などで返済が難しくなった場合は、返済額の変更や猶予を申請できる可能性があります。滞納する前に法テラスへ相談しましょう。

法テラス利用時の重要な注意点|予納金は原則として対象外

生活保護を受給している人を除き、自己破産事件の予納金は法テラスの立替対象外です。

法テラスの費用表にある実費とは別に、管財事件で必要となる引継予納金は、原則として自分で準備する必要があります。東京地裁の個人管財では最低20万円です。

管財事件になる可能性がある場合は、法テラスを利用する予定でも、予納金をいつまでに、どのように積み立てるかを弁護士へ確認しましょう。

生活保護受給者の場合の特例

生活保護を受給している場合、法テラスの立替制度で次のような扱いを受けられる可能性があります。

返済猶予

生活保護を受給している間は、立替金の返済が猶予されます。

返済免除

すべての援助事件が終了した後も生活保護を受給している場合は、申請により返済免除を受けられる可能性があります。

予納金の立替

生活保護受給者については、自己破産事件の予納金を追加で立て替える制度があります。法テラスの手続資料では、破産管財人費用の限度額は20万円とされています。

特例の利用には審査や申請が必要です。福祉事務所のケースワーカー、法テラス、弁護士に生活状況を正確に伝えて確認しましょう。

管財予納金は原則として一括で準備する

管財予納金には全国一律の分割制度がありません。裁判所ごとに運用が異なり、たとえば千葉地方裁判所は、予納金の分割納付を取り扱わず、申立て前に申立代理人の手元で確保するよう案内しています。

「裁判所に相談すれば分割できる」とは考えず、弁護士費用と並行して積み立てるのが基本です。生活保護を受給している場合は、法テラスの予納金立替の対象になるかも確認してください。

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依頼先の選び方と費用を抑える確認ポイント

自己破産の依頼先は、表示された料金の安さだけでなく、手続きの見通し、管財事件への対応、分割払いの条件、説明の分かりやすさで比較することが大切です。

弁護士に依頼する場合のメリット

代理人として手続きを進められる

書類作成、申立て、裁判所との連絡、債権者対応を申立代理人として行えます。

管財事件に対応しやすい

破産管財人との面談や資料提出にも代理人として対応できます。裁判所によっては、低額な予納金による個人管財・少額管財に弁護士代理が必要です。

受任通知後の対応を任せられる

貸金業者からの直接取立てが制限され、連絡窓口を弁護士に一本化しやすくなります。

法テラス利用の相談ができる

法テラスと契約している弁護士であれば、民事法律扶助を利用できるか相談できます。

司法書士に依頼する場合の注意点と比較

司法書士には裁判所提出書類の作成を依頼できますが、地方裁判所で行う自己破産の申立代理人にはなれません。本人が裁判所対応を行う前提で検討しましょう。

比較項目弁護士司法書士
主な役割申立代理人裁判所提出書類の作成
裁判所対応代理人として対応原則として本人が対応
管財事件対応管財人とのやり取りも任せられる本人申立てとなり、本人の負担や予納金が増える場合がある
専門家費用全国一律の基準なし全国一律の基準なし

財産が乏しく、同時廃止が見込まれる比較的単純な事案では、司法書士への書類作成依頼が選択肢になる場合があります。一方、管財事件になりそうな場合、免責に不安がある場合、本人で裁判所対応をするのが難しい場合は、弁護士へ相談するのがおすすめです。

専門家費用だけでなく、本人申立てになった場合の裁判所実費も含めて比較してください。

無料相談で見積もりを比較するコツ

STEP
可能なら2〜3事務所で相見積もりを取る

同じ状況でも、事務所によって料金体系、分割条件、手続きの見通しが異なることがあります。

STEP
追加費用の条件を確認する

「同時廃止の予定から管財事件になった場合、裁判所実費と専門家費用がそれぞれいくら増えるか」を聞きましょう。

STEP
分割払いの条件を具体的に確認する

頭金、月々の支払額、支払開始時期、支払回数、裁判所実費の預け方を確認します。

STEP
説明が具体的かを見る

裁判所実費、管財事件の可能性、法テラスの利用可否、想定スケジュールを具体的に説明してくれるかを確認しましょう。

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まとめ

自己破産の総額は、裁判所実費+専門家費用で計算します。東京地裁の例では、同時廃止の裁判所実費は19,496円、弁護士代理による個人管財は226,847円〜です。弁護士・司法書士費用には全国一律の基準がないため、契約前の見積もり確認が欠かせません。

費用をすぐに用意できない場合は、次の方法を検討できます。

  • 専門家費用の分割払いを相談する
  • 受任後、弁護士の指示に従って費用を積み立てる
  • 法テラスの民事法律扶助を利用する
  • 親族の援助や、他の債務整理も含めて検討する

ただし、生活保護受給者を除き、自己破産事件の予納金は法テラスの立替対象外です。費用の不安が大きいほど早めに弁護士へ相談し、ご自身のケースで必要になる裁判所実費と専門家費用、積立方法を確認しましょう。

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自己破産の費用に関するよくある質問

費用はいつ・誰にいくら払う?分割は可能?

費用は「裁判所実費」と「専門家費用」に分かれます。

裁判所実費は申立てまでに準備します。東京地裁の例では、同時廃止は19,496円、弁護士代理による個人管財は226,847円〜です。

専門家費用は依頼する弁護士・司法書士事務所へ支払います。全国一律の基準はなく、分割払い・後払いへの対応も事務所によって異なります。

見積もりでは、裁判所実費が別途必要か、管財事件になった場合にいくら増えるかまで確認しましょう。

同時廃止から管財事件に移行したら追加費用はかかる?

追加費用がかかる可能性があります。

申立て後に換価対象となる財産、申告漏れ、免責調査が必要な事情などが判明すると、同時廃止ではなく管財事件として扱われることがあります。

その場合は引継予納金が必要になり、契約内容によっては追加の専門家費用も発生します。

契約前に「管財事件になった場合の裁判所実費と追加報酬」を確認しておきましょう。

官報公告費や予納郵券は具体的にいくら?

申立先の裁判所によって異なります。

東京地方裁判所の令和8年1月1日現在の例では、自己破産申立ての予納郵券は4,950円、官報公告費相当の予納金は同時廃止で13,046円、個人管財で20,397円です。

裁判所ごとに金額、切手の組み合わせ、納付方法が異なるため、管轄裁判所または専門家に最新情報を確認してください。

法テラスの立替制度の利用条件は?

主な条件は、収入・資産が一定基準以下であること、免責決定の見込みがあること、民事法律扶助の趣旨に適することです。

東京都特別区・大阪市などに住む単身世帯の例では、手取り月収200,200円以下、資産180万円以下が基準です。

家賃・住宅ローン、医療費、教育費などの負担が考慮される場合もあります。利用には審査があるため、法テラスまたは契約専門家へ確認してください。

生活保護受給者は自己破産費用が実質無料になる?

結果として自己負担がなくなる可能性はありますが、必ず無料になるとは限りません。

生活保護受給中に法テラスの立替制度を利用すると、立替金の返済は猶予されます。すべての援助事件が終了した後も生活保護を受給している場合は、返済免除を申請できます。

また、通常は立替対象外の自己破産予納金も、生活保護受給者は追加立替の対象になる場合があります。いずれも審査・申請が必要なため、法テラス、弁護士、福祉事務所へ確認してください。

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出典

東京地方裁判所民事第20部「破産事件の手続費用一覧(令和8年1月1日現在)」
東京地方裁判所「よくある質問(破産手続について)」
盛岡地方裁判所「郵便切手及び予納金一覧」
千葉地方裁判所「手続費用一覧表」
裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」
法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」
法テラス「自己破産 費用の目安」
法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」
法テラス「まずは法テラスへ。」
法テラス「民事法律扶助のしおり」
法テラス埼玉「管財予納金納付手続きの流れ(生活保護受給者のみ)」
e-Gov法令検索「貸金業法」
e-Gov法令検索「破産法」
e-Gov法令検索「民事再生法」
日本司法書士会連合会「司法書士の業務」
神奈川県弁護士会「債務整理分野に関する弁護士と他士業との違い」
日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」

この記事を書いた人

債務整理メディアは、借金問題で一歩を踏み出せない方に向けて、債務整理に関する各手続きの違いや費用・リスクをわかりやすく解説している。公平かつ透明性の高い情報発信を通じて、利用者が再スタートを切るための最短ルートを示すことを目標としている。独自アンケートのデータを掛け合わせ、任意整理借金減額診断などの情報を詳細に整理。さらに、債務整理におすすめの相談先や、自己破産に強い弁護士・司法書士事務所についても具体的な情報を提供している。

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