借金の返済に関する悩みは、精神的な負担が大きいものです。「督促の電話が怖い」「返済が遅れてしまい、どうすればよいかわからない」「誰にも相談できずに不安」と感じている方は少なくありません。
自己破産は、法律で認められた借金問題を解決する手続きの一つです。裁判所へ申立てを行い、免責許可決定が確定すると、税金や養育費など一部の債務を除き、原則として借金の支払い義務が免除されます。
自己破産を具体的に進めたい場合は、地方裁判所で申立人の代理人になれる弁護士への相談が基本です。費用を準備できるか不安な場合は、法テラスの無料法律相談や費用立替制度を利用できる可能性があります。
この記事では、自己破産を考える際に必要な「弁護士の選び方」「費用の確認方法」「相談先の種類」「手続きの基礎知識」を、専門用語をできるだけ避けながら解説します。ご自身の場合にどの程度の費用がかかりそうか、どこへ相談すべきかを絞り込むためにお役立てください。
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自己破産を依頼する弁護士の選び方 4つのポイント
自己破産を弁護士に依頼するときは、費用の安さだけで決めないようにしましょう。
自己破産では、裁判所への申立て、財産や借金の調査、債権者への対応などが必要です。説明が不十分なまま契約すると、あとから追加費用が発生したり、申立てが想定より遅れたりして、不安が大きくなることがあります。
弁護士を選ぶときは、まず次の4つを確認しましょう。
| 確認ポイント | 見るべき内容 | 相談時の質問例 |
|---|---|---|
| 実績・専門性 | 自己破産や債務整理の取扱経験があるか 管財事件や個人事業主の案件にも対応できるか | 「自己破産の申立ては最近どれくらい扱っていますか?」 |
| 費用の明確さ | 弁護士費用、裁判所費用、追加費用の内訳がわかりやすいか | 「同時廃止と管財事件で総額はいくら変わりますか?」 |
| リスクの説明 | 信用情報、官報、財産、保証人、免責されない債務について説明してくれるか | 「家族や保証人、車やスマートフォンにはどのような影響がありますか?」 |
| 相談しやすさ | 連絡手段、進捗報告、面談方法、担当体制が自分に合っているか | 「依頼後はどのようなタイミングで進捗を連絡してもらえますか?」 |
ここからは、それぞれのポイントを具体的に見ていきます。
自己破産・債務整理の実績や専門性を確認する
弁護士を選ぶときは、自己破産や債務整理の取扱経験があるかを確認しましょう。
一定の財産がある場合、個人事業主の場合、ギャンブルや浪費が借金の原因に含まれる場合などは、裁判所の判断によって「管財事件」になる可能性があります。
管財事件では、破産管財人とのやり取りや詳しい財産調査が必要になるため、弁護士の経験や準備力が重要です。
事務所の公式サイトを見るときは、「債務整理」「自己破産」「解決実績」などのページを確認しましょう。
ただし、サイトに多数の実績が掲載されていても、実際に自分の案件を誰が担当するかは別の問題です。相談時には、担当弁護士の経験や関与範囲も確認しておきましょう。
- 「自己破産の申立ては、最近どれくらい取り扱っていますか?」
- 「管財事件や個人事業主の自己破産を扱った経験はありますか?」
- 「担当弁護士は、相談から申立てまでどの程度関与してくれますか?」
件数の多さだけでなく、同時廃止と管財事件の見込み、必要書類、申立てまでの予定を、自分の状況に合わせて説明してくれるかを見ましょう。
費用の内訳と追加費用を契約前に確認する
自己破産をためらう理由として多いのが、「費用がいくらかかるかわからない」という不安です。契約前には、弁護士費用だけでなく、裁判所へ納める費用や、管財事件になった場合の追加費用まで確認しましょう。
私選弁護士の費用に全国一律の金額はありません。見積書では、少なくとも「着手金」「報酬金」「実費」「裁判所費用」が分けて示されているかを確認してください。料金表の金額が安く見えても、報酬金や管財事件への移行費用、裁判所の予納金が別途必要なことがあります。
- 「同時廃止の場合、弁護士費用と裁判所費用を合わせていくらですか?」
- 「管財事件になった場合、追加でいくら必要ですか?」
- 「分割払いの途中でも裁判所への申立てを行いますか?」
特に注意したいのが、分割払いと申立て時期の関係です。事務所によっては、弁護士費用の支払いが終わるまで裁判所への申立てを行わない場合があります。
弁護士から受任通知が送られた後は、貸金業者から本人への直接取立てが制限されますが、申立てが遅れると解決までの期間も長くなります。「いつまでに何を準備し、いつ申立てる予定か」を必ず確認してください。
説明が丁寧な事務所は、同時廃止と管財事件の複数パターンに分け、弁護士費用と裁判所費用を合わせた見込み額を示してくれます。
デメリットやリスクまで説明してくれるかを見る
自己破産には、免責によって多くの借金の支払い義務がなくなる可能性がある一方、信用情報への登録、官報への掲載、一定の財産の処分、一部の資格・業務の制限、保証人への影響などがあります。
信頼できる弁護士は、自己破産の良い面だけでなく、不利な点や注意点も説明します。また、税金や養育費など、免責されない債務がある場合は、その支払い方法も確認する必要があります。
- 「今乗っている車は手元に残せますか?」
- 「分割払いが残っているスマートフォンはどうなりますか?」
- 「税金、養育費、保証人付きの借金はどう扱われますか?」
- 「自己破産以外に、任意整理や個人再生の選択肢はありますか?」
不安をあおるだけの説明や、反対に「全部なくなるので大丈夫です」といった簡単すぎる説明には注意が必要です。回避できるリスクと、制度上避けにくい影響を分けて説明してくれるかを確認しましょう。
自己破産だけを強く勧めるのではなく、任意整理や個人再生とも比較し、納得したうえで手続きを選べる事務所がおすすめです。
連絡のしやすさや進捗報告の方法を確認する
自己破産は、依頼後すぐに終了する手続きではありません。申立て前の準備を含めると数か月以上かかり、管財事件や複雑な事案では1年以上に及ぶこともあります。そのため、連絡の取りやすさも重要な判断材料です。
契約前には、初回相談の費用、夜間・土日の対応、オンライン面談の可否、主な連絡手段、進捗報告のタイミングを確認しておきましょう。
- 「依頼後、どのようなタイミングで進捗を連絡してもらえますか?」
- 「主な連絡窓口は担当弁護士ですか、事務員の方ですか?」
- 「電話に出られない場合、メールやチャットで連絡できますか?」
- 「事務所からの郵送物を自宅へ送らない対応は可能ですか?」
日中に電話へ出にくい、事務所からの郵送物を家族に見られたくないなどの事情は、契約前に伝えておきましょう。ただし、裁判所や破産管財人からの郵送物をすべて避けられるとは限りません。管財事件では、破産者宛ての郵便物が管財人へ転送される場合もあります。
費用や実績だけでなく、質問しやすい雰囲気か、説明がわかりやすいか、連絡方法が自分に合っているかも含めて判断しましょう。
弁護士の選び方 チェックリスト
相談や契約の前に確認したい項目をまとめます。すべてを満たす必要はありませんが、説明に納得できない点が多い場合は、ほかの事務所にも相談して比較しましょう。
| 確認する大項目 | 具体的なチェック項目 |
|---|---|
| 実績・専門性 | □ 自己破産・債務整理の取扱経験はあるか □ 管財事件や個人事業主の自己破産に対応できるか □ 担当弁護士の関与範囲は明確か |
| 費用の明確性 | □ 見積書に着手金・報酬金・実費・裁判所費用の内訳があるか □ 管財事件になった場合の追加費用を説明してくれたか □ 弁護士費用と裁判所費用を合わせた見込み額がわかるか |
| 分割払い | □ 分割払いの回数・月額に無理がないか □ 分割払い中でも申立てを行うか □ 支払いが遅れた場合の扱いを説明してくれたか |
| 説明の丁寧さ | □ 信用情報・官報・財産処分・一部の資格制限を説明してくれたか □ 税金・養育費・保証人への影響を説明してくれたか □ 任意整理・個人再生との比較説明があったか |
| 対応・相性 | □ 初回相談の費用と時間が明確か □ 夜間・土日・オンライン面談に対応しているか □ 希望する連絡手段に対応できるか □ 進捗報告の方法を確認できたか □ 高圧的でなく、質問しやすいか |
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自己破産にかかる費用はいくら?弁護士費用・裁判所費用を解説
自己破産にかかる費用は、大きく分けると「弁護士費用」と「裁判所費用」の2つです。
私選弁護士の費用は事務所や事件内容によって異なり、全国一律の金額はありません。裁判所費用も、申立先の裁判所や、同時廃止・管財事件のどちらになるかによって大きく変わります。
まずは、費用を次のように分けて考えましょう。
| 費用の区分 | 金額・考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 私選弁護士の費用 | 事務所ごとに異なる | 着手金、報酬金、実費、管財事件への移行費用を含む見積もりを確認します |
| 東京地裁・同時廃止の裁判所費用 | 19,496円 | 申立手数料1,500円、予納郵券4,950円、予納金13,046円の合計です |
| 東京地裁・個人管財の裁判所費用 | 最低226,847円 | 申立手数料、予納郵券、最低20万円の引継予納金、官報公告費20,397円の合計です |
| 法テラスの立替額の目安 | 155,000〜210,000円 | 債権者数や事件内容、審査で決まります 生活保護受給者を除き、自己破産の予納金は原則として立替対象外です |
東京地裁の金額は2026年1月1日現在の例です。現金納付の方法や事件の内容によって金額が変わる場合があり、ほかの裁判所では郵券や予納金の運用も異なります。
相談時には、「弁護士費用はいくらか」だけでなく、「裁判所費用を含め、自分の場合はいつまでにいくら必要か」を個別に見積もってもらいましょう。
自己破産の費用は「弁護士費用」と「裁判所費用」に分けて考える
自己破産の費用を確認するときは、総額だけを見るのではなく、「何にいくらかかるのか」を分けて見てください。
弁護士費用だけを見て安いと判断すると、あとから裁判所費用や管財事件への移行費用が必要になり、想定より負担が大きくなることがあります。
| 費用の種類 | 内容 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 弁護士費用 | 弁護士へ依頼するための費用 着手金、報酬金、実費などがあります | 着手金・報酬金・実費・追加費用を合わせた見込み額を確認します |
| 裁判所費用 | 裁判所へ納める費用 申立手数料、郵券、予納金などがあります | 同時廃止か管財事件かで大きく変わります |
| 追加費用 | 管財事件へ移行した場合などに発生することがあります | 発生条件と支払期限を契約前に確認します |
見積書をもらうときは、「弁護士費用はいくらですか?」だけでなく、「裁判所費用を含めた見込み額と支払時期を教えてください」と聞くのがポイントです。
同時廃止・管財事件・少額管財の違い
自己破産の費用を理解するには、まず「同時廃止」と「管財事件」の違いを押さえておく必要があります。
- 同時廃止
- 破産手続で換価・配当する財産がなく、管財人による詳しい調査を必要としないと裁判所が判断した場合に、破産手続開始と同時に手続を廃止する扱いです。
- 管財事件
- 破産管財人が選任され、財産、借金の経緯、免責に関する事情などを調査する手続きです。
- 個人管財・少額管財
- 個人の管財事件について、弁護士が代理人として申立てる場合などに、裁判所の運用上、予納金が比較的低く設定されることがあります。名称、利用条件、金額は裁判所によって異なります。
同時廃止では、管財人の報酬に充てる引継予納金が必要ないため、裁判所費用を抑えられます。一方、管財事件では、破産管財人の報酬などに充てる予納金が必要です。
どの手続きになるかを最終的に決めるのは裁判所です。弁護士へ相談するときは、「現時点では同時廃止と管財事件のどちらが見込まれるか」「管財事件になった場合はいくら必要か」を確認しましょう。
弁護士費用の内訳|着手金・報酬金・実費を確認する
弁護士費用は、主に「着手金」「報酬金」「実費」で構成されます。ただし、名称や費用体系は事務所によって異なります。
| 項目 | 意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 着手金 | 依頼時や事件処理の開始時に支払う費用です | 途中で終了しても返金されない契約があります |
| 報酬金 | 免責が認められた場合など、契約で定めた結果に応じて発生する費用です | 報酬金がない事務所もありますが、着手金などほかの項目と合わせて比較します |
| 実費 | 郵送代、書類取得費用、交通費などです | 裁判所費用や弁護士の日当が別項目になっていることがあります |
私選弁護士の費用に全国共通の相場や上限があるわけではありません。債権者数、個人事業の有無、管財事件への移行、遠方の裁判所への出張などによっても変わります。
複数の事務所を比較するときは、広告に表示された最低額ではなく、報酬金、実費、日当、管財事件への移行費用を含めた見込み額で比べましょう。
裁判所費用の目安|申立手数料・郵券代・予納金
裁判所費用は、弁護士費用とは別に必要です。主な内訳は、申立手数料、予納郵券、予納金です。
| 項目 | 内容 | 東京地裁の例 |
|---|---|---|
| 申立手数料 | 申立ての際に収入印紙で納める費用 | 個人の自己破産・免責許可申立ては1,500円 |
| 予納郵券 | 裁判所から関係者へ書類を送るための切手 | 自己破産申立ては4,950円 |
| 予納金 | 官報公告費や、管財事件では破産管財人の報酬などに充てる費用 | 同時廃止は13,046円 個人管財は最低20万円と個人1件につき20,397円 |
上記は東京地方裁判所における2026年1月1日現在の例です。通常の納付額を合計すると、同時廃止は19,496円、個人管財は最低226,847円です。
中目黒庁舎で官報公告費を現金納付する場合は、同時廃止が14,000円、個人管財が21,000円となります。また、予納金は事案に応じて変更されることがあります。
同時廃止を想定して準備していても、裁判所の判断で管財事件になる場合があります。相談時には、管財事件になった場合の予納金と弁護士の追加費用を確認しておきましょう。
弁護士費用は分割払いできる?申立て時期も確認する
自己破産を検討している方は、まとまった費用をすぐに用意するのが難しいことがあります。弁護士費用の分割払いに対応している事務所もあるため、相談時に確認しましょう。
弁護士に依頼すると、弁護士から債権者へ「受任通知」が送られます。貸金業者は、弁護士などから債務整理を受任した旨の書面による通知を受けた後、正当な理由なく本人へ直接取り立てることが制限されます。
依頼後は、弁護士の指示に従って返済を止め、その期間に弁護士費用や裁判所費用を積み立てる運用が取られることがあります。特定の債権者だけに返済すると手続きへ影響する可能性があるため、自己判断で支払いを続けたり止めたりせず、弁護士へ確認してください。
分割払いを利用するときに重要なのが、「いつ裁判所へ申立てるのか」です。
- 分割払いの途中でも申立てを行うのか
- 弁護士費用を完済してから申立てる方針なのか
- 管財事件になった場合の予納金を、いつまでに準備する必要があるのか
この3点は、契約前に確認しましょう。分割払いができても、申立てが大きく遅れれば、解決までの期間も長くなります。
「後払い可」としている事務所もありますが、条件は事務所によって異なります。後払いの対象、支払時期、途中解約時の精算方法を、見積書と委任契約書で確認してください。
費用が不安な場合は法テラスの利用も検討する
弁護士費用を準備するのが難しい場合は、法テラスの「民事法律扶助」を利用できる可能性があります。
法テラスは、経済的に余裕がない方を対象に、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替えを行う公的な窓口です。利用には審査があり、収入や資産が一定基準以下であることなどが条件になります。
主な利用条件は、以下のとおりです。
- 収入・資産が一定基準以下であること
- 勝訴の見込みがないとはいえないこと。自己破産では、免責決定の見込みがあるかなどが確認されます
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
単身者の収入基準は、東京都特別区・大阪市などでは手取りの平均月収200,200円以下、その他の地域では182,000円以下です。資産基準は単身者で180万円以下とされています。
家族人数や居住地域によって基準は変わります。また、家賃・住宅ローン、医療費、教育費などの負担がある場合は、基準額を超えていても利用できる可能性があります。
法テラスを利用した場合の自己破産費用の目安は、次のとおりです。
| 債権者数 | 着手金 | 実費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 1〜10社 | 132,000円 | 23,000円 | 155,000円 |
| 11〜20社 | 154,000円 | 23,000円 | 177,000円 |
| 21社以上 | 187,000円 | 23,000円 | 210,000円 |
上記は依頼時に必要な着手金と実費の目安です。実際の金額は事件内容や審査によって決まり、事件の難しさに応じて増減する場合があります。過払金を回収できた場合などは、報酬金が発生することもあります。
注意したいのは、生活保護を受給している方を除き、自己破産事件の予納金は原則として法テラスの立替対象にならないことです。管財事件が見込まれる場合は、予納金をどのように準備するかも相談してください。
法テラスが立て替えた費用は、審査で決められた月額を分割で返済します。一般的には月額5,000円または10,000円程度となることがあり、利息は発生しません。
生活保護を受給している場合などは、返済の猶予を受けられることがあります。事件終了後も一定の条件を満たす場合は免除を申請できますが、自動的に免除されるわけではありません。
法テラスを利用したい場合は、法テラスの窓口へ相談するか、法テラスと契約している弁護士に「民事法律扶助を利用したい」と伝えましょう。
相談時に確認したい費用のチェックリスト
自己破産の費用で想定外の負担が生じないよう、相談時には次の項目を確認しておきましょう。
- 弁護士費用と裁判所費用を合わせた見込み額はいくらか
- 同時廃止と管財事件で費用がどれくらい変わるか
- 管財事件になった場合、追加費用はいくら必要か
- 分割払いは可能か、月額と支払回数はいくらか
- 分割払いの途中でも裁判所へ申立てるか
- 法テラスを利用できるか
- 法テラスを利用する場合、予納金を別途準備する必要があるか
- 契約を途中でやめた場合、費用をどのように精算するか
費用の説明があいまいなまま契約すると、あとから不安が大きくなります。見積書と委任契約書を確認し、わからない点は署名前に質問しましょう。
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自己破産の相談はどこでできる?主な相談窓口4つ
自己破産を考え始めたとき、最初に迷いやすいのが「どこに相談すればよいのか」です。
自己破産の手続きを具体的に進め、裁判所対応まで任せたい場合は、まず弁護士へ相談するのが基本です。費用が不安な場合や、いきなり弁護士事務所へ連絡することに抵抗がある場合は、法テラスや自治体、弁護士会などの無料相談から始める方法もあります。
返済条件の見直しや金融機関とのトラブルを相談したい段階であれば、日本貸金業協会や全国銀行協会などの相談窓口も選択肢です。
相談先ごとの違いを確認しましょう。
| 相談窓口 | 向いている人 | できること |
|---|---|---|
| 弁護士事務所 | 自己破産の手続きを任せたい人 | 申立書類の作成、裁判所対応、債権者対応などを代理してもらえる |
| 司法書士事務所 | 裁判所提出書類の作成支援を受けたい人 | 申立書類の作成と、それに必要な範囲の相談が中心 地方裁判所で申立人の代理人にはなれない |
| 法テラス・自治体・弁護士会 | まず無料または低額で相談したい人 | 法律相談、制度案内、専門家への橋渡しを受けられる |
| 貸金業協会・銀行協会 | 返済相談や金融機関への苦情を相談したい人 | 返済相談、苦情受付、紛争解決手続、他機関の案内を受けられる |
どこに相談すべきか迷う場合は、次のように目的で選ぶとわかりやすくなります。
- 自己破産を本格的に進めたい:弁護士事務所
- 費用が不安で、制度を使えるか知りたい:法テラス
- まず中立的な窓口で概要を聞きたい:自治体・弁護士会・司法書士会の法律相談
- 返済条件や金融機関への苦情を相談したい:日本貸金業協会・全国銀行協会
ここからは、それぞれの窓口で何ができるのか、どのような人に向いているのかを解説します。
弁護士事務所|自己破産の手続きを任せたい人向け
自己破産を具体的に進めたい場合、基本となる相談先は弁護士事務所です。弁護士は、依頼者の代理人として自己破産の手続きを進めることができます。
弁護士に依頼すると、裁判所への申立て、必要書類の作成、債権者への対応、裁判所の面談への対応、破産管財人とのやり取りなどを任せられます。財産がある場合、個人事業主の場合、保証人がいる場合など、手続きが複雑になりそうなケースでは、特に弁護士へ相談するメリットがあります。
ただし、弁護士に依頼した当日に借金が免除されるわけではありません。借金の支払い義務が免除されるには、裁判所で免責許可決定を受け、その決定が確定する必要があります。
初回相談を無料としている事務所もあります。夜間・土日・オンライン面談に対応している事務所もあるため、仕事や家庭の都合に合わせて相談先を選びましょう。
弁護士へ相談するときは、次の資料を用意しておくと話がスムーズです。
- 借入先と、おおよその借入額の一覧
- 督促状、契約書、カード利用明細、裁判所から届いた書類
- 給与明細、源泉徴収票など収入がわかる資料
- 通帳、保険証券、車検証など財産がわかる資料
- 保証人がいる借金や滞納している税金がわかる資料
正確な借金額がわからなくても相談は可能です。覚えている範囲で整理し、不明な部分はそのまま伝えましょう。
司法書士事務所|書類作成の支援を受けたい人向け
司法書士事務所では、自己破産の裁判所提出書類の作成や、それに必要な範囲の相談に対応している場合があります。
自己破産の申立書、債権者一覧表、財産目録などの作成について支援を受けられますが、申立人本人が手続きを進める「本人申立て」となる点を理解しておく必要があります。
自己破産は地方裁判所で行う手続きです。司法書士は、認定司法書士であっても、地方裁判所の自己破産手続きで申立人の代理人にはなれません。裁判所の面談への代理出席や、破産管財人との交渉を代理してもらうこともできません。
そのため、司法書士への依頼は、書類作成の支援を中心に受け、自分で裁判所対応を行うことを理解したうえで検討しましょう。
次のような事情がある場合は、最初から弁護士にも相談しておくと安心です。
- 管財事件になる可能性がある
- 持ち家、車、保険、退職金などの財産がある
- 個人事業をしている、または過去にしていた
- 保証人がいる借金がある
- 裁判所や破産管財人への対応まで任せたい
費用だけで選ぶと、途中で弁護士への依頼が必要になり、かえって負担が増える場合があります。弁護士と司法書士の対応範囲を確認したうえで判断しましょう。
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法テラス・自治体・弁護士会|まず無料で相談したい人向け
費用が不安な方や、いきなり弁護士事務所へ相談することに抵抗がある方は、法テラス、自治体、弁護士会、司法書士会などの相談窓口を利用する方法があります。
これらの窓口では、「自己破産を検討すべきか」「法テラスの費用立替制度を使えるか」「弁護士と司法書士のどちらに相談すべきか」といった初期相談ができます。
法テラスでは、収入や資産などの条件を満たせば、同じ問題について原則3回まで無料法律相談を利用できます。1回の相談時間は通常30分程度です。さらに審査に通れば、弁護士費用や司法書士費用の立替制度を利用できる場合があります。
自治体や弁護士会の法律相談は、無料または低額で利用できることがある一方、相談時間や利用条件は窓口ごとに異なります。「1回30分」「予約制」「対象地域の在住者に限る」などの条件を事前に確認しましょう。
短い相談時間を有効に使うため、相談前には次の内容をメモしておくのがおすすめです。
- 借入先の数と、おおよその借金総額
- 毎月の収入と生活費
- 滞納の有無と期間
- 持ち家、車、預金、保険などの財産
- 保証人がいる借金の有無
- いま最も困っていること
「まだ自己破産すべきかわからない」という段階でも相談できます。まず状況を整理したい方に向いている窓口です。
貸金業協会・銀行協会|返済相談や業者対応を相談したい人向け
消費者金融や銀行からの借入について、返済条件や金融機関とのトラブルを相談したい場合は、業界団体の相談窓口も利用できます。
日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターでは、貸金業に関する相談、返済相談、苦情受付、紛争解決手続などを扱っています。全国銀行協会では、銀行カードローンに関する相談や苦情、返済に困っている個人向けのカウンセリングを案内しています。
これらの窓口は無料で利用できます。ただし、自己破産の申立てや裁判所対応を代理する窓口ではありません。自己破産を進める場合は、弁護士などへ改めて相談する必要があります。
利用しやすいのは、たとえば次のような場合です。
- 現在の返済について相談したい
- 貸金業者や銀行とのやり取りに困っている
- 家計や返済継続の可能性を整理したい
- 苦情やトラブルを中立的な窓口に相談したい
日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターの受付時間は、原則として平日9:00〜17:00です。全国銀行協会のカードローン相談・苦情窓口は、原則として月〜金曜日の9:00〜17:00です。いずれも祝日や所定の休業日を除きます。
迷ったときは「目的」で相談先を選ぶ
相談先を選ぶときは、「何を相談したいのか」で考えると迷いにくくなります。
| 相談したいこと | まず選びたい窓口 |
|---|---|
| 自己破産を進めるべきか判断したい | 弁護士事務所、法テラス、弁護士会 |
| 裁判所への申立てまで任せたい | 弁護士事務所 |
| 費用を準備できるか不安 | 法テラス、弁護士事務所 |
| まず無料で概要を聞きたい | 法テラス、自治体、弁護士会、司法書士会 |
| 返済や金融機関への苦情を相談したい | 日本貸金業協会、全国銀行協会 |
借金問題は、相談先を一つに絞る必要はありません。法テラスや自治体の相談で概要を聞いた後、弁護士事務所で具体的な見積もりを取る方法もあります。
返済が難しい、督促がつらい、裁判所から書類が届いたなどの事情がある場合は、放置せず早めに相談しましょう。
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自己破産を依頼する前に知っておきたい基礎知識
弁護士に相談する前に自己破産の基本的な用語や流れを知っておくと、説明を理解しやすくなります。
ここでは、手続きの流れ、必要書類、受任通知、生活への影響、ほかの債務整理との違いを解説します。
自己破産の手続きの流れ
委任契約後、弁護士が各債権者へ受任通知を発送します。
必要書類を集め、借金、家計、財産、借入れの経緯を整理します。必要に応じて費用も積み立てます。
準備が整い次第、住所地などを管轄する地方裁判所へ、破産手続開始と免責許可を申し立てます。
必要に応じて、借金の経緯や現在の状況について裁判所から確認を受けます。面談の有無、時期、弁護士の同席方法は裁判所の運用や事案によって異なります。
裁判所が破産手続を開始するかを判断します。財産や調査の必要性などに応じて、同時廃止または管財事件に分かれます。
同時廃止の場合:破産手続が開始と同時に廃止され、その後、免責の判断へ進みます。
管財事件の場合:破産管財人が選任され、財産や借入れの経緯の調査、財産の換価、債権者への配当などが行われます。
裁判所が、免責を認めるかどうかを判断します。
不服申立ての期間が経過し、免責許可決定が確定すると、非免責債権などを除く借金の支払い義務が免除されます。
自己破産に必要な書類と期間の目安
弁護士への依頼から免責許可決定の確定までには、数か月から1年以上かかることがあります。同時廃止では比較的短く、管財事件や複雑な事案では長くなる傾向があります。
実際の期間は、申立て前の書類準備、費用の積立て、裁判所の運用、債権者数、財産調査の内容などによって変わります。
申立てには、借金、家計、収入、財産を確認するための書類が必要です。
- 申立書など裁判所所定の書類
- 債権者一覧表
- 住民票など本人や世帯を確認する書類
- 裁判所が指定する期間の家計収支表
- 預金通帳、保険証券、車検証、不動産資料など財産がわかる書類
- 給与明細、源泉徴収票、確定申告書など収入がわかる書類
- 退職金見込額がわかる書類など、勤務先や退職金に関する資料
必要書類と対象期間は、裁判所や事案によって異なります。裁判所へ提出する書類には、マイナンバーが記載されたものを含めないよう注意し、弁護士の指示に従って準備しましょう。
受任通知とは?督促が止まる仕組み
弁護士に自己破産を依頼すると、弁護士は「受任通知(じゅにんつうち)」を債権者へ送付します。
受任通知とは、弁護士が債務整理の依頼を受けたため、今後の連絡窓口を弁護士にするよう知らせる通知です。
貸金業法では、貸金業者が弁護士などから書面による受任通知を受けた後、正当な理由なく本人へ電話や訪問で直接取り立てることが制限されています。そのため、消費者金融や貸金業者からの直接督促は、多くの場合止まります。
ただし、受任通知は借金を消す通知ではありません。銀行口座の凍結、保証人への請求、税金の督促、すでに進んでいる訴訟や差押えなどが、自動的に止まるとは限りません。
通知が債権者へ届き、社内で処理されるまでには時間がかかることがあります。依頼後も連絡が来た場合は、弁護士へ依頼したことを伝え、担当弁護士へ報告しましょう。
自己破産のデメリットと生活への影響
免責が認められると、クレジットカードやカードローンなど多くの借金について、支払い義務の免除を受けられます。
一方で、信用情報への登録、一定の財産の処分、一部の資格・業務の制限、官報への掲載、保証人への請求、免責されない債務など、事前に知っておきたい影響があります。
ただし、家財道具を含むすべての財産を失うわけではなく、すべての仕事が制限されるわけでもありません。それぞれの影響を正確に分けて理解してください。
主な影響を一覧で確認しましょう。
| 影響 | 内容 | 確認・対処のポイント |
|---|---|---|
| 信用情報への登録 | 一定期間、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなります | 登録期間や起算点は信用情報機関と情報の種類で異なります |
| 一定の財産の処分 | 持ち家、高額な車、解約返戻金のある保険などが処分対象になることがあります | 生活に必要な家財など、手元に残せる財産もあります |
| 一部の資格・業務の制限 | 破産手続中、一部の資格や許認可業務に影響する場合があります | 通常の会社員など、一般の仕事が一律に制限されるわけではありません |
| 官報への掲載 | 氏名や住所などが国の公報である官報に掲載されます | 公開情報であり、掲載自体は避けられません |
| 保証人への影響 | 本人が免責を受けても、保証人の返済義務はなくなりません | 保証人付きの借金は早めに弁護士へ伝えます |
| 免責されない債務 | 税金、社会保険料、養育費、罰金などは支払い義務が残ります | 自己破産とは別に分納や支払い方法を相談します |
以下では、それぞれの影響をもう少し詳しく解説します。
信用情報への登録|ローンやクレジットカードに影響する
自己破産をすると、信用情報機関に契約内容や異動情報などが登録されます。
その間は、新しいクレジットカード、住宅ローン、自動車ローン、スマートフォン端末の分割払いなどの審査に通りにくくなります。ただし、携帯電話の通信契約が自己破産だけを理由に必ず解約されるわけではありません。
CICでは、クレジット情報は契約中および契約終了後5年間保有され、自己破産に関する情報の起算点は、加盟会員が免責を確認して登録した時期などによって変わります。
JICCでも、契約日や登録情報の種類によって扱いが異なりますが、契約継続中および契約終了後5年以内が基本となる情報があります。
全国銀行個人信用情報センターでは、官報に公告された破産・民事再生手続開始決定の情報を、決定日から7年を超えない期間登録します。
登録期間が経過しても、ローンやカードの審査に必ず通るわけではありません。現在の収入、勤続年数、借入状況、各社の審査基準なども判断材料になります。
手続き後しばらくは、現金、デビットカード、口座振替などを中心に支払い方法を整えておくと安心です。
一定の財産の処分|すべてを失うわけではない
自己破産では、持ち家、高額な車、解約返戻金の大きい生命保険など、一定以上の価値がある財産が処分され、債権者への配当に充てられることがあります。
一方、生活に必要な家財道具、差押禁止財産、破産手続開始後に取得した財産などは、原則として処分対象になりません。裁判所の判断により、生活再建に必要な一定の財産を自由財産として残せる場合もあります。
原則として対象になるのは本人の財産です。ただし、家族名義でも実質的に本人が所有している財産や、申立て前に名義を移した財産などは調査されることがあります。財産を隠したり、不自然に処分したりしないようにしましょう。
預金、保険、車、退職金見込額、不動産、事業用資産、家族名義の財産に関する事情は、自己判断せず弁護士へ正確に伝えましょう。
職業・資格の制限|一部の資格や業務だけが対象になる
破産手続開始決定を受け、まだ復権していない間は、一部の資格、役職、許認可業務に制限が生じる場合があります。
警備業や一部の士業、財産管理に関係する職務など、法律上「破産者で復権を得ない者」を欠格事由としている業務が対象です。対象範囲と影響は資格や業務ごとに異なります。
一般の会社員、公務員、医師、看護師など、自己破産によって一律に就業できなくなるわけではありません。また、多くの制限は復権によって解消されます。
資格職や許認可業務に就いている場合は、勤務先へ伝える前に、弁護士へ資格名と具体的な仕事内容を伝えて確認しましょう。
官報への掲載|公開情報として掲載される
自己破産をすると、破産手続開始決定や免責許可決定などの際に、氏名や住所などが官報へ掲載されます。
官報は2025年4月から電子化され、電子データが正本となりました。官報発行サイトでは、直近90日分の官報を無料で閲覧できます。
官報へ掲載されたからといって、必ず家族や勤務先へ知られるわけではありませんが、公開情報であるため、絶対に知られないともいえません。掲載自体を避けることはできません。
勤務先や家族への影響が心配な場合は、知られる可能性がある具体的な場面や、郵送物の取扱いを弁護士へ相談しましょう。
保証人への影響|本人の免責では保証人の義務は消えない
自己破産で特に注意したいのが、保証人や連帯保証人への影響です。
本人が免責を受けても、保証人や連帯保証人の返済義務はなくなりません。債権者は、保証人に残額の一括返済などを請求する可能性があります。
保証人がいる借金を抱えている場合は、自己破産を進める前に、請求時期や返済方法への影響を確認しておく必要があります。
保証人も返済が難しい場合は、保証人自身が任意整理、個人再生、自己破産などを検討することがあります。
保証人付きの借金がある場合は、相談時に必ず弁護士へ伝えましょう。
免責されない債務|税金や養育費などは残る
自己破産をしても、すべての支払い義務がなくなるわけではありません。
税金、社会保険料、養育費、婚姻費用、罰金、故意または重過失による一定の損害賠償債務などは、非免責債権として支払い義務が残ります。
カードローンやクレジットカードの支払いは免責対象になり得ますが、滞納している税金や養育費は、自己破産後も支払い方法を考えなければなりません。
税金や社会保険料については役所へ分納や猶予を相談し、養育費などは相手方との支払い方法を弁護士へ相談しましょう。
自己破産を申し立てる前に、どの債務が免責対象になり得るかを確認してください。
他の債務整理(任意整理・個人再生)との違い
借金問題を解決する方法は、自己破産だけではありません。任意整理や個人再生も選択肢です。
任意整理と個人再生は、利息の見直しや元本の減額を受けたうえで返済を続ける方法です。一方、自己破産は、免責によって多くの借金の支払い義務をなくすことを目指します。
どの方法が合うかは、借金総額、収入、財産、住宅ローン、保証人の有無、借入れの経緯によって変わります。
債務整理3種類の違い
| 手続き | 特徴 | 検討しやすい人 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 裁判所を通さず、債権者と交渉して将来利息のカットや分割返済を目指します 元金が大きく減るとは限りません | 安定収入があり、債権者との合意内容どおりに返済できる見込みがある人 |
| 個人再生 | 裁判所へ申立て、借金を減額した再生計画に基づいて原則3年、特別な事情がある場合は最長5年で返済します 要件を満たせば住宅ローン返済中の家を残せる可能性があります | 継続的な収入があり、借金を減額すれば返済できる人 要件を満たして住宅を残したい人 |
| 自己破産 | 裁判所へ申立て、免責により多くの借金の支払い義務をなくすことを目指します 一定の財産処分などの影響があります | 収入や財産から見て、借金を返し続けることが難しい人 |
任意整理の返済期間は法律で一律に決まっているわけではなく、債権者との合意によって変わります。3〜5年程度を目安に交渉する例がありますが、必ずその期間で合意できるとは限りません。
個人再生で住宅を残せるのは、住宅資金特別条項などの要件を満たす場合です。住宅ローンの返済自体が免除されるわけではなく、継続的に返済できる収入も必要です。
どの手続きを選ぶか迷ったときの考え方
以下は大まかな考え方です。実際には、弁護士に収入、財産、借金の内容を確認してもらいましょう。
- 継続的な収入があるかを確認する
- 収入がなく、今後も返済原資を確保できない場合は、任意整理や個人再生で返済を続けることが難しく、自己破産を検討することがあります。
- 減額や利息の見直し後に返済できるかを確認する
- 任意整理による分割返済が可能なら任意整理、元本を大幅に減額すれば返済できるなら個人再生が候補になります。いずれも難しい場合は自己破産を検討します。
- 残したい住宅や財産があるかを確認する
- 住宅ローン返済中の家を残したい場合は、要件を満たせば個人再生が選択肢になります。車や保険など残したい財産がある場合も、各手続きによる影響を比較します。
「毎月いくらなら無理なく返済できるか」「家や車を残したいか」「保証人にどのような影響が出るか」を整理したうえで判断しましょう。
自己破産はデメリットもありますが、返済不能の状態から生活を立て直すために法律で設けられた手段です。
自己判断で財産を処分したり、一部の債権者だけに返済したりせず、早めに弁護士や法テラスなどの相談窓口で確認しましょう。
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自己破産の相談から依頼完了までの進め方 3ステップ
自己破産を弁護士に相談しても、その場で契約する必要はありません。まず初回相談で状況を伝え、費用や手続きの見通しを確認し、納得できた場合に依頼します。
相談から依頼後の手続きまでは、次の3ステップで整理するとわかりやすくなります。
| ステップ1 相談の準備 | 借金・収入・財産の状況を整理し、相談先を選ぶ | 自己破産が合っているか 費用はいくらか 家族や保証人への影響はあるか |
|---|---|---|
| ステップ2 見積もり・契約確認 | 見積書と委任契約書を確認し、依頼先を決める | 見込み額 追加費用 分割払い 申立て時期 連絡体制 |
| ステップ3 依頼後の対応 | 必要書類を提出し、費用を管理しながら申立てに進む | 書類提出の期限 費用の支払い 進捗状況 管財事件になった場合の対応 |
ここからは、それぞれのステップで行うことを具体的に解説します。
ステップ1:無料相談の前に借金・収入・財産を整理する
最初に、弁護士への相談を申し込みます。初回相談を無料としている事務所もありますが、有料の場合もあるため、予約時に相談料と相談時間を確認しましょう。
相談前に完璧な資料をそろえる必要はありません。ただし、借金や収入の状況をある程度まとめておくと、より具体的な説明を受けやすくなります。
可能であれば、2〜3か所の相談先を候補にすると、費用だけでなく、説明のわかりやすさや相談しやすさも比較できます。ただし、裁判や差押えが迫っている場合は、比較に時間をかけすぎず早めに相談してください。
相談前に準備しておきたいものは、次のとおりです。
| 準備するもの | 内容 |
|---|---|
| 借金の情報 | 借入先、借入額、借り始めた時期、毎月の返済額、滞納の有無 |
| 督促・裁判関係の書類 | 督促状、契約書、利用明細、訴状、支払督促、差押えに関する通知など |
| 収入がわかる資料 | 給与明細、源泉徴収票、年金通知、確定申告書など |
| 支出がわかる資料 | 家計簿、家賃、公共料金、保険料、生活費のメモなど |
| 財産がわかる資料 | 預金通帳、保険証券、車検証、不動産資料、退職金見込額がわかる資料など |
| 保証人に関する情報 | 保証人・連帯保証人がいる借金の有無、保証人の氏名や関係性 |
資料がそろっていなくても、相談を先延ばしにする必要はありません。借入先や正確な金額がわからない場合は、覚えている範囲を伝えましょう。弁護士が受任した後、債権者へ取引履歴や残高を照会して確認できる場合があります。
相談では、次のような質問をしておくと、依頼後の不安を減らせます。
無料相談で聞いておきたい質問
| 確認したいこと | 質問例 |
|---|---|
| 手続きの方針 | 「私の場合、自己破産が適していますか?任意整理や個人再生の可能性はありますか?」 「現時点では同時廃止と管財事件のどちらが見込まれますか?」 |
| 費用 | 「弁護士費用と裁判所費用を合わせた見込み額はいくらですか?」 「分割払いは可能ですか?申立てはいつ頃になりますか?」 「管財事件になった場合の追加費用はいくらですか?」 |
| 生活への影響 | 「車、保険、預金など、処分対象になる可能性がある財産はどれですか?」 「家族や保証人への影響はありますか?」 |
| 依頼後の流れ | 「受任通知はいつ発送されますか?」 「必要書類と提出期限を教えてください」 「進捗はどのように連絡してもらえますか?」 |
弁護士の説明がわかりやすいか、質問へ具体的に答えてくれるかも確認しましょう。自己破産では数か月以上やり取りが続くため、相談しやすさも重要です。
ステップ2:見積書と委任契約書を確認して依頼先を決める
複数の事務所へ相談した場合は、説明内容と見積もりを比較します。費用の安さだけでなく、内訳が明確か、追加費用の条件を説明しているか、連絡体制に不安がないかを確認しましょう。
依頼を決める前には、見積書と委任契約書を確認し、疑問点を解消してから契約してください。
見積もりで確認すること
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 見込み額 | 弁護士費用と裁判所費用を分け、合わせた見込み額が示されているか |
| 費用の内訳 | 着手金、報酬金、実費、予納金、日当などが分けて記載されているか |
| 分割払い | 月額、支払回数、支払開始日、支払い途中の申立て可否が明確か |
| 追加費用 | 管財事件への移行、債権者の増加、遠方出張など、追加費用の発生条件が明確か |
| 申立て時期 | 費用を完済してから申立てるのか、積立途中でも申立てるのか |
| 連絡体制 | 主な連絡手段、担当者、進捗を確認する方法がわかるか |
広告では安く見えても、報酬金や実費が別に発生したり、管財事件への移行費用が含まれていなかったりする場合があります。「自分の事情を前提に、最終的にどの程度必要になりそうか」を確認しましょう。
委任契約書で確認すること
委任契約書は、弁護士へ正式に依頼するための契約書です。難しい言葉があっても、わからないまま署名するのは避けましょう。
- 弁護士が担当する業務範囲
- 着手金・報酬金・実費・日当の金額
- 支払時期と分割払いの条件
- 管財事件になった場合の追加費用
- 契約を解除した場合や弁護士が辞任した場合の費用精算
- 依頼後の連絡方法や報告の方法
契約内容に不明点がある場合は、その場で質問しましょう。費用や申立て時期について、契約前に具体的な説明を受けるようにしてください。
契約を急がせる、追加費用の条件を示さない、質問へ答えないといった事務所には注意し、必要に応じてほかの事務所にも相談しましょう。
ステップ3:依頼後は書類提出・費用管理・進捗確認を行う
委任契約を結ぶと、弁護士が債権者へ受任通知を送り、自己破産の準備を始めます。依頼後はすべてを任せきりにせず、必要書類の提出や費用の準備に協力してください。
依頼後の大まかな流れは、次のとおりです。
| 時期 | 主な流れ | 本人が行うこと |
|---|---|---|
| 契約直後 | 弁護士が受任通知を発送 | 債権者から連絡が来た場合は、弁護士へ依頼済みであることを伝え、事務所へ報告します |
| 申立て準備中 | 債権調査、家計の確認、申立書類の作成 | 家計収支表、通帳、給与明細、財産資料などを期限までに提出します |
| 費用準備中 | 弁護士費用や裁判所費用を準備 | 決められた分割金を支払い、難しい場合は放置せず事務所へ相談します |
| 裁判所への申立て | 準備が整い次第、地方裁判所へ申立て | 追加資料の提出や裁判所からの確認に対応します |
| 開始決定後 | 同時廃止または管財事件の手続きを経て免責判断へ進む | 弁護士の指示に従い、面談や破産管財人の調査に協力します |
弁護士費用の分割払いが遅れたり、必要書類を長期間提出しなかったりすると、申立てが遅れ、場合によっては弁護士が辞任することがあります。対応が難しくなったときは、早めに事務所へ相談しましょう。
また、手続き中に弁護士や事務所からの連絡が少なく、不安になることもあります。その場合は、メールや電話で「現在の進捗状況」「不足している書類」「今後の予定」を確認してください。
問い合わせても返事がない、説明が大きく変わる、対応に強い不満がある場合は、事務所の責任者へ相談する方法があります。解決しない場合は、所属弁護士会の相談窓口へ問い合わせることも検討しましょう。
自己破産は、相談して終わりではありません。弁護士と連絡を取り、書類と費用を準備しながら、一つずつ手続きを進めていきましょう。
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まとめ
自己破産を具体的に進め、裁判所対応まで任せたい場合は、弁護士への相談が基本です。費用が不安な場合は、法テラスの無料法律相談や費用立替制度を利用できる可能性があります。
「自分の場合はいくらかかるのか」「管財事件になる可能性はあるのか」「法テラスを使えるのか」といった疑問は、借入状況、収入、財産、借入れの経緯を確認しなければ判断できません。
借金問題を放置すると、遅延損害金が増えたり、訴訟、支払督促、差押えなどへ進んだりする可能性があります。不安が強いときほど一人で抱え込まず、早めに専門家や公的窓口へ相談しましょう。
相談では、主に以下の内容を確認できます。
- 自己破産が適しているか、ほかの手続きが適しているか
- 同時廃止と管財事件のどちらが見込まれるか
- 弁護士費用と裁判所費用の見込み額
- 法テラスや分割払いを利用できるか
- 保証人、家族、勤務先、財産への影響
- 受任通知後の流れと申立てまでの予定
まず法テラスや弁護士会などの窓口で概要を聞く方法もあれば、債務整理を扱う弁護士事務所の無料相談を利用し、見積もりを比較する方法もあります。
初回相談は、契約を急ぐ場ではなく、手続きの見通し、見積もり、弁護士との相性を確認する場です。費用だけでなく、説明のわかりやすさ、リスクの伝え方、連絡のしやすさを見て、納得できる相談先を選びましょう。
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自己破産の相談先・弁護士選びに関するよくある質問
自己破産の手続きや弁護士の選び方について、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。
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出典
東京地方裁判所「破産事件の手続費用一覧(令和8年1月1日現在)」
最高裁判所「自己破産の申立てをされる方のために」
法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」
法テラス「自己破産 費用の目安」
法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」
e-Gov法令検索「貸金業法」
e-Gov法令検索「破産法」
CIC「自己破産の登録は何年間ですか?」
日本信用情報機構(JICC)「信用情報の内容と登録期間」
全国銀行個人信用情報センター「センターの概要」
日本貸金業協会「貸金業相談・紛争解決センター」
全国銀行協会「カードローン相談・苦情窓口とは」
日本司法書士会連合会「司法書士の業務」
札幌弁護士会「弁護士と司法書士の違い」
内閣府「官報の電子化について」
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