債務整理の費用相場はいくら?任意整理・個人再生・自己破産を比較

「借金の返済が苦しい」と感じたとき、債務整理は生活を立て直すための有効な手段の一つです。

ただ、いざ専門家に相談しようとしても、「費用がいくらかかるのか不安」、「どこに依頼すればよいのかわからない」「分割払いはできるのか」と迷う人は少なくありません。

債務整理の費用は、選ぶ手続きや依頼先によって変わります。任意整理、個人再生、自己破産では手続きの内容が異なり、必要な専門家費用や裁判所費用も同じではありません。

費用を比較するときに重要なのは、着手金だけを見るのではなく、報酬金、減額報酬、送金管理費、実費、裁判所費用まで含めた総額を確認することです。

本記事では、債務整理の費用の目安、特に利用されることが多い任意整理の費用内訳、費用を抑える方法、依頼先を比較するときの注意点を解説します。手元に費用がない場合に利用できる可能性がある法テラスについても確認していきましょう。

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目次

債務整理3種類の違いと費用の目安

債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産の3つがあります。どの方法が合うかは、借金総額、収入、資産状況、保証人の有無、住宅ローンの有無などによって変わります。

費用を見るときは、まず専門家費用裁判所費用に分けて考えましょう。任意整理は裁判所を通さないため、通常は裁判所費用がかかりません。一方、個人再生や自己破産は裁判所へ申し立てるため、申立手数料、予納金、郵便切手代などが必要です。

3つの手続きの違いと、費用を確認するときのポイントは次のとおりです。

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手続き主な目的向いている状況費用の見方
任意整理裁判所を通さず、将来利息や返済期間について債権者と交渉する元金を分割返済できる見込みがある債権者1社ごとに専門家費用がかかる料金体系が多い
個人再生裁判所を通じて借金を圧縮し、再生計画に沿って返済する借金額が大きいものの、継続収入が見込める専門家費用に加え、裁判所費用や個人再生委員に関する費用を確認する
自己破産免責許可により、借金の支払義務の免除を目指す収入や資産から見て返済を続けることが難しい専門家費用に加え、同時廃止か管財事件かによって裁判所費用が変わる

弁護士や司法書士の費用に全国共通の料金表はありません。事務所の料金体系、債権者数、事件の難易度、住宅ローン特則の利用、裁判所の運用などによって変わるため、具体的な金額は見積書で確認してください。

任意整理の費用相場(弁護士・司法書士別)

任意整理は、裁判所を使わず、専門家が貸金業者やカード会社などと個別に交渉する手続きです。将来利息や遅延損害金の減免、返済期間の見直しなどを求めますが、どの条件で和解できるかは債権者の対応や返済状況によって異なります。

認定司法書士にも任意整理を依頼できますが、代理交渉できるのは、簡易裁判所における訴訟代理権の範囲に含まれる民事事件に限られます。

140万円の基準は借金の合計額ではなく、原則として債権者が主張する個別の債権額で判断します。1件でも140万円を超える債権があり、その債権について代理交渉まで任せたい場合は、弁護士への相談を検討しましょう。

任意整理でかかる主な費用は、次のとおりです。

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費用項目内容確認ポイント
相談料法律相談にかかる費用無料相談の有無、無料になる回数や時間を確認する
着手金・基本報酬依頼を受けて手続きを開始するための費用弁護士は事務所ごとに設定が異なる。認定司法書士は、着手金や解決報酬金などの合計に指針上の上限がある
解決報酬金和解成立など、事件が解決したときに発生する費用弁護士は原則として債権者1社につき2万円以下。規程上は消費税を含まない金額
減額報酬元金が減った場合に、減額分に応じて発生する費用弁護士・認定司法書士とも、元金の減額分に対する割合と計算方法を確認する
送金管理費和解後の返済を事務所が代行する場合の費用利用が任意か必須か、月額、対象期間、債権者数による加算の有無を確認する
実費郵便代、振込手数料、書類取得費用など見積もりに含まれるものと、別途請求されるものを確認する

日弁連の規程では、弁護士の解決報酬金は原則として債権者1社につき2万円以下、減額報酬金は減額分の10%以下です。いずれも規程上は消費税を含まない金額であり、着手金には同規程による一律の上限がありません。

日司連が2025年に制定した指針では、認定司法書士の通常の任意整理について、着手金、解決報酬金などの合計を債権者1社につき5万円以下、減額報酬を減額・免除された元本の10%以下としています。支払代行報酬は、債権者数にかかわらず依頼者1人につき月1,000円以下とされ、支払代行を強制することも認められていません。これらも指針上は消費税を含まない金額です。

任意整理の費用例(弁護士・債権者3社の場合)
  • 相談料:0円
  • 着手金:3社 × 3万円 = 9万円
  • 解決報酬金:3社 × 2万円 = 6万円
  • 減額報酬:元金の減額がない場合は0円

合計:約15万円(説明用の一例です。別途、消費税・実費・送金管理費などがかかる場合があります)

着手金が低くても、解決報酬金や送金管理費を含めると総額が高くなる場合があります。契約前に、想定される総額と追加費用が発生する条件を書面で確認しましょう。

個人再生の費用相場

個人再生は、裁判所を通じて借金を圧縮し、再生計画に沿って返済する手続きです。任意整理では返済が難しいものの、将来にわたって継続的に収入を得る見込みがある人が利用を検討できます。

個人再生を利用できるのは、住宅ローンなどを除く債務総額が5,000万円以下である場合です。返済期間は原則3年で、特別な事情がある場合は最長5年まで延長されることがあります。

個人再生では、専門家費用に加えて、裁判所に納める費用も必要です。住宅ローン特則を利用する場合は手続きが複雑になり、専門家費用が加算されることがあります。なお、住宅ローン特則は住宅ローン自体を減額する制度ではありません。

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費用項目目安・内容
専門家費用事務所ごとに異なり、数十万円になることがあります。住宅ローン特則、債権者数、書類作成の難易度、追加対応の有無を含めて見積もりを確認します。
裁判所費用東京地裁の例では、申立手数料1万円、官報公告費用としての予納金1万5,120円、郵便切手代1,990円+330円+280円×債権者数が必要です。
個人再生委員に関する費用東京地裁では原則として全件で個人再生委員が選任され、履行可能性を確認するための分割予納金などが必要です。選任方法や金額は裁判所によって異なります。

司法書士に依頼する場合は、裁判所へ提出する書類の作成支援が中心です。司法書士は個人再生事件の申立代理人にはなれないため、裁判所や個人再生委員とのやり取りを本人が行う場面があります。

弁護士に依頼する場合は、申立代理人として裁判所との連絡や手続きを任せやすくなります。ただし、本人が説明や出席を求められる場面まで、すべて省略できるわけではありません。

裁判所費用や個人再生委員の運用は地域によって異なります。申立予定地の運用と必要額は、依頼予定の専門家に確認しましょう。

自己破産の費用相場

自己破産は、裁判所へ申し立て、免責許可により借金の支払義務の免除を目指す手続きです。ただし、税金、養育費、故意または重大な過失による一部の損害賠償など、免責されない債務があります。

自己破産には、破産管財人を選任せずに進める「同時廃止」と、破産管財人が財産や免責に関する事情などを調査する「管財事件」があります。どちらになるかは、財産の有無だけでなく、借入経緯や調査事項などを踏まえて裁判所が判断します。

管財事件になると予納金が必要になるため、自己破産の費用が大きく変わることがあります。

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費用項目目安・内容
専門家費用事務所ごとに異なり、数十万円になることがあります。管財事件が見込まれる場合、同時廃止より高く設定されることがあります。
同時廃止の裁判所費用東京地裁の例では、申立手数料1,500円、官報公告費用としての予納金1万3,046円、郵便切手代4,950円が必要です。
個人管財事件の裁判所費用東京地裁の例では、最低20万円の引継予納金に加え、官報公告費用として1件につき2万397円、郵便切手代4,950円などが必要です。事件内容によって予納金が増えることがあります。

上記の裁判所費用は、東京地裁が公表している2026年1月1日現在の資料に基づく例です。ほかの裁判所では金額や納付方法が異なる場合があります。

司法書士に依頼する場合は、裁判所提出書類の作成支援が中心です。裁判所への出席や裁判官との面談は、本人が対応します。弁護士に依頼する場合は、申立代理人として裁判所との連絡や管財人対応の支援を受けやすくなります。

債務整理費用の内訳は?(相談料・着手金・報酬・実費)

債務整理費用は、主に相談料、着手金、報酬金、減額報酬、送金管理費、実費で構成されます。個人再生や自己破産では、これらに裁判所費用が加わります。

特に確認したいのは、減額報酬の対象、送金管理費の有無、実費の扱いです。着手金が安く見えても、報酬金や管理費を含めると総額が高くなることがあります。

  • 相談料
    • 専門家に相談する費用。無料相談を設けている事務所もあります。
  • 着手金・基本報酬
    • 委任契約後、手続きを開始する際に支払う費用です。
  • 報酬金
    • 和解成立や免責許可など、契約で定めた結果が得られた場合に発生する費用です。
  • 減額報酬
    • 元金が減った場合に、減額分に応じて発生する費用です。
  • 送金管理費
    • 和解後の返済を事務所が代行する場合にかかる費用です。
  • 実費・裁判所費用
    • 印紙代、郵便切手代、官報公告費用、振込手数料、交通費、書類取得費用、裁判所予納金などです。

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債務整理の費用を安くする4つの方法

専門家費用は安いものではありません。ただし、見積もりの取り方や依頼先の選び方を工夫すれば、初期負担や支払総額を抑えられる可能性があります。

複数の事務所から見積もりを取得して比較する

債務整理の料金体系は事務所によって異なります。可能であれば、同じ借入状況と希望する手続きを伝えたうえで、複数の事務所から見積もりを取りましょう。

ただし、督促や返済期日が迫っている場合は、比較に時間をかけすぎず、まず1か所へ早めに相談することも大切です。

比較するときは、着手金だけでなく、解決報酬金、減額報酬、送金管理費、実費、追加費用を含めた総額で確認します。

見積もり比較チェックリスト
  • 同じ債権者数・手続きで比較しているか
  • 想定される総額はいくらか
  • 費用の内訳は明確か
  • 税込表示か税別表示か
  • 減額報酬の計算対象は元金だけか
  • 送金管理費は任意か必須か
  • 実費や追加費用の目安は示されているか
  • 訴訟、手続き変更、途中解約時の費用はあるか

減額報酬・事務手数料の有無を確認する

費用総額に影響しやすい項目が、減額報酬と送金管理費などの手数料です。

日司連の指針では、認定司法書士の任意整理における減額報酬は、減額または免除された元本金額のみを対象とし、10%を超えて請求してはならないとされています。弁護士の場合も、日弁連の規程で減額報酬金は減額分の10%以下です。

将来利息のカット分まで「減額分」として計算していないか、見積もりの段階で確認しましょう。「減額報酬は元金が減った場合だけ発生しますか」「送金管理費以外の事務手数料はありますか」と具体的に質問すると判断しやすくなります。

認定司法書士が返済の支払代行を行う場合、日司連の指針では、債権者数にかかわらず依頼者1人につき月1,000円以下とされています。支払代行を利用しない選択ができるかも確認してください。

認定司法書士への依頼を検討する(個別債権が140万円以下)

債権者が主張する個別の債権額がすべて140万円以下で、任意整理だけで解決できそうな場合は、認定司法書士への依頼も選択肢になります。

ただし、司法書士だから必ず弁護士より安いとは限りません。基本報酬、減額報酬、送金管理費、実費を含めた総額と、依頼できる業務範囲を比較してください。

認定司法書士に相談できる可能性がある例

A社100万円、B社80万円、C社50万円のように、各社が主張する個別の債権額がすべて140万円以下の場合です。

弁護士への相談を検討する例

A社180万円、B社50万円のように、1件でも140万円を超える債権があり、その債権の代理交渉まで任せたい場合です。

個人再生や自己破産へ切り替える可能性がある場合、司法書士は書類作成支援が中心となります。裁判所への申立代理まで任せたい人は、最初から弁護士へ相談する方法も検討しましょう。

法テラス(民事法律扶助)の利用を検討する

専門家費用をすぐに用意できない場合は、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助を利用できる可能性があります。

法テラスでは、経済的に余裕がない人を対象に、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を提供しています。同一の問題について、1回30分程度の無料法律相談を3回まで利用できる場合があります。

無料法律相談と費用の立替は、それぞれ利用条件や審査があります。無料相談を利用できても、必ず立替制度を利用できるとは限りません。

利用できる条件(概要)
  • 収入や資産が一定基準以下であること
  • 勝訴の見込みがないとはいえないこと、または話し合いなどによる解決の見込みがあること
  • 民事法律扶助の趣旨に適すること

収入・資産基準は、家族人数、居住地域、家賃や住宅ローンの負担などによって変わります。

東京都特別区、大阪市など生活保護一級地に該当する地域では、単身者の月収基準は20万200円以下、保有資産の基準は180万円以下です。家賃や住宅ローン、医療費などを一定範囲で考慮できる場合もあるため、最新基準で確認してください。

立替制度の流れ
  1. 法テラスまたは契約弁護士・司法書士へ相談する
  2. 収入・資産や事件内容について審査を受ける
  3. 利用が決定すると、法テラスが専門家費用を立て替える
  4. 立て替えてもらった費用を原則として分割で返済する

法テラスが示す任意整理費用の目安は、債権者1社で4万3,000円、3社で8万6,000円、5社で13万5,000円です。ただし、事件内容や審査結果によって実際の金額は変わります。

また、個人再生の裁判所予納金は立替対象外です。自己破産の管財事件で必要となる予納金も、生活保護受給中など一部の場合を除き、原則として法テラスの立替対象になりません。専門家費用だけでなく、裁判所へ直接納める費用も確認しましょう。

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費用が安い事務所を選ぶときの比較ポイント

費用の安さは重要ですが、金額だけでは自分に合う事務所か判断できません。料金の内訳、対応できる手続き、面談方法、契約後の連絡体制まで確認することが大切です。

ここでは、費用と対応内容を比較するための4つのポイントを確認します。

料金表が明確で総額(トータルコスト)がわかるか

公式サイトや相談時の見積書で、料金の内訳と発生条件を確認しましょう。

  • 料金が税込か税別か分かるか
  • 相談料、着手金、報酬金、減額報酬の内訳が分かるか
  • 減額報酬の計算対象が明確か
  • 送金管理費や実費が別途かかるか
  • 訴訟、手続き変更、途中解約時の費用が示されているか

「費用は応相談」「格安」といった表現だけで具体的な金額が分からない場合は、契約前に書面で見積もりを受け取りましょう。最初に支払う金額だけでなく、手続き終了までの想定総額を確認してください。

債務整理の対応範囲と説明は十分か

任意整理が適しているとは限らないため、個人再生や自己破産を含めて検討してもらえるか確認しましょう。また、担当者の肩書だけでなく、実際に受任する弁護士・司法書士本人から説明を受けられるかも大切です。

  • 担当する弁護士・司法書士の氏名と登録を確認できるか
  • 任意整理、個人再生、自己破産を比較して説明してくれるか
  • 手続きのメリットだけでなく、デメリットや失敗時の対応も説明するか
  • 司法書士の場合は、代理できる範囲と書類作成支援の範囲を説明するか

特定の手続きだけを前提に契約を急がせるのではなく、収入、財産、借金額、保証人、住宅ローンなどを確認したうえで、選択肢を説明してくれる事務所を選びましょう。

担当者との相性や連絡の取りやすさは問題ないか

債務整理は、相談してすぐに終わるとは限りません。任意整理では、和解交渉から返済終了まで数年にわたることがあります。

「連絡できる曜日や時間」「進捗報告の頻度」「質問するときの窓口」「担当者が不在の場合の対応」を、契約前に確認しておくと安心です。

初回相談は、費用だけでなく、説明の分かりやすさや質問のしやすさを確認する機会でもあります。

相談時に確認したい質問例

「減額報酬は、元金が減った場合だけ発生しますか?」
「将来利息のカット分は減額報酬に含まれませんか?」
「送金管理は必須ですか?自分で振り込むことはできますか?」
「交渉がまとまらなかった場合や途中解約時の費用はどうなりますか?」

質問に対して、根拠や契約書の該当箇所を示しながら説明してくれるかどうかも判断材料になります。

費用の分割払い・後払いに対応しているか

債務整理を検討する時点で、まとまった費用をすぐに用意するのが難しい人もいるでしょう。

分割払いに対応する事務所もありますが、分割回数や支払開始時期、受任通知を発送する条件は事務所によって異なります。「後払い」と表示されていても、いつ何を支払うのかを契約前に確認してください。

  • 分割払いは可能か
  • 何回まで分割できるか
  • 初回の支払日はいつか
  • 受任通知の発送に入金条件があるか
  • 支払い方法は銀行振込か口座振替か
  • 法テラスの立替制度を利用できるか

無理な分割計画を組むと、専門家費用や和解後の返済を続けられない可能性があります。毎月の家計を確認し、継続して支払える金額を伝えましょう。

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費用を抑えやすい事務所の選び方(目的別)

ここでは、実際の事務所名ではなく、目的別に確認したい料金・対応条件を整理します。自分の状況に合わせて、事務所を比較するときの軸として使ってください。

初期費用を抑えたい人(着手金0円・相談料無料)

手元の出費を抑えて早めに相談したい人は、相談料無料や着手金0円の事務所を検討できます。

選定基準
  • 相談料が無料になる条件が明確
  • 着手金が0円、または分割払いに対応
  • 受任通知を発送する時期と条件が明確

着手金0円でも、解決報酬金、減額報酬、送金管理費などが高く設定されている場合があります。初期費用だけでなく、手続き終了までに支払う総額で比較しましょう。

たとえば、A事務所が「着手金3万円・報酬金1万円」、B事務所が「着手金0円・報酬金5万円」だとします。B事務所は契約時の負担が少なく見えますが、その他の費用が同じなら、1社あたりの総額はA事務所のほうが低くなります。

支払い総額(トータル)を安くしたい人

初期費用よりも、最終的に支払う総額を抑えたい人は、報酬体系がシンプルで、追加費用の条件が明確な事務所を選びましょう。

選定基準
  • 減額報酬の有無と計算方法が明確
  • 送金管理を利用しない選択ができる
  • 実費や追加費用の発生条件が明確
  • 見積書に想定総額が示されている

送金管理を利用しない場合でも、各債権者への振込手数料がかかることがあります。管理費だけでなく、自分で返済する場合の手間や振込費用も含めて比較してください。

弁護士に依頼しつつ費用を抑えたい人

1件でも140万円を超える債権がある人や、個人再生・自己破産への切り替えも視野に入れている人は、弁護士への相談を検討しましょう。

選定基準
  • 受任する弁護士本人と直接面談できる
  • 日弁連の債務整理報酬ルールに沿った説明がある
  • 任意整理・個人再生・自己破産を比較して提案してくれる
  • 分割払いの条件が明確

弁護士費用が認定司法書士より高いとは限らず、料金は事務所ごとに異なります。対応範囲と総額を比較し、必要な業務を無理なく依頼できる事務所を選びましょう。

オンライン相談と面談体制を重視する人

近くに相談できる事務所がない人や、仕事の都合で日中に事務所へ行きにくい人は、電話やオンラインでの初回相談に対応した事務所を探す方法があります。

ただし、債務整理の受任では、弁護士・司法書士本人との直接面談が原則です。認定司法書士のウェブ面談は、直接面談できない合理的な理由があり、依頼者本人が希望する場合に認められる例外的な方法とされています。

選定基準
  • 電話・オンラインで初回相談ができる
  • 受任前の直接面談を誰がどの方法で行うか明確
  • 契約書類や本人確認書類の提出方法が明確
  • 交通費、郵送費、システム利用料などの追加費用が明確

「全国対応」「オンライン対応」という表示だけで、契約まで一度も本人面談がないと判断しないようにしましょう。初回相談、受任面談、契約、書類提出をどの方法で進めるのか、事前に確認してください。

債務整理の費用について詳しく知りたい方はこちらをチェック

借金減額診断について詳しく知りたい方はこちらをチェック

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任意整理を依頼する手順と事前に準備するもの

専門家へ相談したいと思ったら、まずは借入状況を整理しましょう。準備しておくと相談時間を有効に使え、手続きの見通しや費用の見積もりも具体的になりやすくなります。

借入状況(債権者数・残高)を整理する

専門家に相談する前に、自分の借入状況を分かる範囲で整理します。情報が正確であるほど、専門家も手続きの候補と費用を説明しやすくなります。

整理しておくことリスト

  • 借入先(債権者)
    • クレジットカード会社、消費者金融、銀行カードローンなど、分かる範囲ですべての会社名を整理します。
  • 現在の残高
    • 各社にいくら残っているかを確認します。利用残高と毎月の請求額を混同しないようにしましょう。
  • 最初の借入時期
    • いつ頃から取引があるかをメモします。正確な日付が分からなくても、分かる範囲で問題ありません。
  • 最終返済日
    • 最後に返済した日と、支払いが遅れている期間を確認します。
  • 毎月の返済額
    • 毎月、各社にいくら返しているかを整理します。

これらの情報は、カード会社の会員サイト、利用明細、督促状、預金通帳などで確認できます。書類がすべて手元になくても、分かる範囲で相談できます。受任後に専門家が債権者から取引履歴を取り寄せ、残高や取引状況を確認できる場合もあります。

住宅、自動車、生命保険、預貯金、退職金見込額などの財産がある場合や、保証人・連帯保証人が付いている借金がある場合は、その情報も伝えてください。

事務所に相談・見積もりを依頼し委任契約する

借入状況を整理したら、気になる事務所へ相談を申し込みます。無料相談を利用する場合は、無料になる時間や回数も確認しておきましょう。

【相談〜契約の流れ】

STEP
相談・見積もり

整理した情報をもとに、専門家が任意整理で返済を続けられそうか、ほかの手続きも検討すべきか、費用がいくらかかるかを説明します。

STEP
方針決定

提示された方針、見積もり、手続きのデメリットを確認します。契約を急ぐ必要がなければ、その場で即決せず、ほかの事務所と比較しても問題ありません。

STEP
委任契約

依頼先を決めたら、委任契約書、費用説明書、重要事項に関する書面などを確認して契約します。不明な費用項目は、署名する前に質問してください。

STEP
受任通知の発送

契約後、専門家が依頼対象の債権者へ受任通知を送ります。貸金業者は、弁護士または権限のある司法書士に債務整理を委任したことを知った後、正当な理由なく本人へ直接取り立てることを禁止されます。

受任通知を送っても、すべての債権者からの連絡や裁判所の手続きが一律に止まるわけではありません。裁判所から支払督促や訴状が届いた場合は放置せず、すぐに専門家へ連絡してください。

受任後の返済や口座管理は、専門家の指示に従いましょう。一部の債権者だけに返済したり、新たな借入れやクレジットカード利用をしたりすると、今後の手続きに影響することがあります。

和解(返済)開始に向けた支払い計画を立てる

専門家が債権者と交渉し、和解案がまとまると、依頼者が内容を確認します。たとえば「将来利息を付けず、残った元金を60回で返済する」といった条件です。ただし、将来利息のカットや返済回数は保証されるものではありません。

和解内容に合意すれば和解契約を結び、決められた期日と金額に沿って返済を始めます。

返済計画のポイント
毎月の返済額

無理なく支払える金額か確認します。手取り収入から家賃、食費、光熱費、通信費、税金、保険料などを差し引き、臨時支出も考慮して継続できる金額にすることが大切です。

返済方法

事務所に送金管理を依頼するか、自分で各社へ振り込むかを確認します。自分で返済する場合は管理費を抑えられる可能性がありますが、振込手数料や入金忘れにも注意が必要です。

返済が始まったら、期日に遅れないことが重要です。病気、失業、収入減少などで支払いが難しくなった場合は、放置せず、できるだけ早く依頼した専門家へ相談しましょう。

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費用が安い事務所を選ぶ際の注意点とリスク

費用を安く抑えたいと考えるのは自然なことです。ただし、広告に表示された一部の料金だけで契約すると、後から追加費用や対応範囲の違いに気付くことがあります。

「安すぎる」料金表示は総額と業務範囲を確認する

相場より極端に安く見える場合は、なぜ安いのか、表示金額にどの業務が含まれているのかを確認しましょう。料金が低いこと自体ではなく、説明されていない費用や対応範囲がないかを確かめることが重要です。

契約前に確認したいポイント
  • 広告には相談料や着手金だけが表示されていないか
  • 受任する弁護士・司法書士本人と直接面談できるか
  • 任意整理以外の手続きも比較して説明してくれるか
  • 契約後の担当者、連絡方法、進捗報告の時期が明確か
  • 追加費用や途中解約時の精算方法が書面に記載されているか

無料相談では、料金表だけでなく、委任契約書や費用説明書にどのような項目が記載されるのか確認しましょう。内容を理解できないまま契約を急ぐ必要はありません。

追加費用(送金管理費・実費など)がないか確認する

見積もりでは安く見えても、契約後に追加費用が発生する場合があります。特に、任意整理では送金管理費を確認しましょう。

送金管理費が依頼者1人につき月1,000円で、5年間利用すれば合計6万円です。債権者1社ごとに加算される料金体系であれば、さらに高くなる可能性があります。

なお、認定司法書士については、日司連の指針により、支払代行報酬は債権者数にかかわらず依頼者1人につき月1,000円以下とされ、支払代行を強制することも認められていません。

「事務手数料」「管理費」「通信費」などの項目がある場合は、何に対する費用なのか、いつからいつまで発生するのか、見積もりに含まれているのかを確認してください。

途中解約や和解不成立時の費用規定を確認する

途中解約や和解不成立となった場合の費用規定も、契約前に確認すべき重要なポイントです。

確認すべき規定
着手金

途中解約した場合に返金されるか、すでに行った業務分をどのように精算するか確認します。

中途解約時の精算

解約までに行われた作業について、別途報酬や実費が発生するか確認します。

和解不成立時の費用

交渉がまとまらなかった場合、解決報酬金が発生するか、個人再生や自己破産へ変更すると追加費用がかかるか確認します。

契約前に費用発生の条件を書面で確認し、不明点には具体的な説明を求めましょう。回答が曖昧なままの場合は、契約を急がず、別の事務所にも相談する方法があります。

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まとめ

債務整理の費用は、手続きの種類、債権者数、依頼先、事件の内容によって異なります。任意整理では債権者ごとの専門家費用、個人再生・自己破産では専門家費用に加えて裁判所費用を確認しましょう。

大切なのは、「着手金0円」「格安」といった一部の料金だけで判断しないことです。解決報酬、減額報酬、送金管理費、実費、手続き変更時の追加費用まで含めた総額を比較してください。

個別債権が140万円を超えるか、個人再生・自己破産へ変更する可能性があるかによっても、弁護士と認定司法書士のどちらに依頼するかが変わります。費用をすぐに用意できない場合は、分割払いの条件や法テラスの利用可能性も確認しましょう。

返済を続けるために新たな借入れが必要になっている場合や、すでに返済が遅れている場合は、比較だけで時間をかけすぎないことも大切です。まずは借入状況を整理し、専門家へ相談して、自分に合う手続きと支払可能な費用を確認してください。

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債務整理の費用に関するよくある質問(FAQ)

最後に、債務整理の費用に関してよくある疑問に回答します。

司法書士と弁護士、総額で安いのはどちら?

司法書士と弁護士のどちらが安いかは、事務所の料金体系と依頼内容によって異なります。司法書士だから必ず安いとは限りません。

認定司法書士が代理交渉できるのは、原則として債権者が主張する個別の債権額が140万円以下の任意整理などです。個人再生や自己破産では書類作成支援が中心となり、申立代理人にはなれません。

弁護士は金額の制限なく任意整理の代理交渉を行え、個人再生や自己破産の申立代理も依頼できます。基本報酬、減額報酬、送金管理費、実費を含む総額と、必要な業務範囲を比較して選びましょう。

着手金0円でも総額が高くなるケースは?

あります。着手金が0円でも、解決報酬金、減額報酬、送金管理費、事務手数料などが加わり、総額が高くなる場合があります。

特に、減額報酬の計算対象、送金管理費の月額と対象期間、手続き変更時の追加費用を確認してください。契約前に、想定総額を記載した見積書を受け取りましょう。

費用の分割払いはどの程度まで可能?

分割できる回数、毎月の支払額、初回支払日は事務所によって異なります。受任通知を発送する前に初回入金が必要な事務所もあるため、契約前に確認してください。

手元にまとまったお金がない場合でも、相談時に毎月支払える金額を伝えましょう。収入や資産などの要件を満たせば、法テラスの立替制度を利用できる可能性もあります。

借金減額シミュレーター(匿名診断)利用時の注意点は?

借金減額シミュレーターは、債務整理を検討するきっかけとして利用できますが、表示される減額幅は概算です。診断結果どおりに借金が減ることを保証するものではありません。

実際の結果は、債権者、取引履歴、残高、収入、財産、選ぶ手続きなどによって変わります。運営者、入力情報の利用目的、個人情報の取扱い、電話やメール連絡への同意内容も確認してください。

診断結果だけで方針を決めず、弁護士・司法書士との相談で、手続きの候補と費用の見積もりを確認しましょう。

1社で140万円を超える借金がある場合は?

債権者が主張する個別の債権額が140万円を超える場合、認定司法書士はその債権について任意整理の代理交渉を行えません。代理交渉まで依頼したい場合は、弁護士へ相談しましょう。

借入先が複数あり、合計額が140万円を超えていても、A社100万円、B社80万円のように個別の債権額がそれぞれ140万円以下であれば、認定司法書士へ相談できる可能性があります。

残高が分からない場合は、利用明細や債権者から届いた書類を用意し、借入先ごとに確認してください。

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出典

日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」
日本弁護士連合会「弁護士に相談・依頼をするみなさまへ」
日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針の制定について」(公開日:2025年4月25日)
日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」
日本司法書士会連合会「債務整理事件における司法書士の業務範囲に関する最高裁判決について」(公開日:2016年6月28日)
法務省「司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定」
法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」
法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
法テラス「任意整理 費用の目安」
法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替えに関するよくあるご質問」
東京地方裁判所「民事第20部(倒産部)よくある質問」
東京地方裁判所「個人再生手続の申立てに当たって」
東京地方裁判所「破産事件の手続費用一覧」
e-Gov法令検索「貸金業法」
e-Gov法令検索「民事再生法」
e-Gov法令検索「破産法」

この記事を書いた人

債務整理メディアは、借金問題で一歩を踏み出せない方に向けて、債務整理に関する各手続きの違いや費用・リスクをわかりやすく解説している。公平かつ透明性の高い情報発信を通じて、利用者が再スタートを切るための最短ルートを示すことを目標としている。独自アンケートのデータを掛け合わせ、任意整理借金減額診断などの情報を詳細に整理。さらに、債務整理におすすめの相談先や、自己破産に強い弁護士・司法書士事務所についても具体的な情報を提供している。

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