任意整理で借金はどれくらい減る?仕組みと減額シミュレーション

「毎月の返済が厳しい」「利息ばかりで元本が減らない」と感じている方にとって、任意整理でどれくらい借金が減るのかは気になるポイントです。

結論からいうと、任意整理で主に減額を目指すのは、和解後に発生する将来利息です。借金の元本は原則として減りません。

ただし、将来利息を付けない条件で和解できれば、完済までの返済総額を抑えられる可能性があります。特に、高金利の借入れやリボ払いを長く続けている場合は、利息負担が減ることで返済計画を立て直しやすくなります。

実際に減る金額は、現在の残高、金利、完済までの残り期間、延滞状況、債権者との交渉結果によって異なります。この記事では、任意整理で減額される仕組み、減るもの・減らないもの、借金額別の返済シミュレーション、任意整理が向いている人の特徴をわかりやすく解説します。

なお、この記事は一般的な情報提供であり、個別の法的判断を示すものではありません。実際に任意整理が向いているかは、借入先、借金額、収入、家計、保証人や担保の有無によって変わります。判断に迷う場合は、弁護士や認定司法書士などの専門家に確認しましょう。

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目次

任意整理で借金はいくら減る?減額の中心は将来利息

任意整理は、裁判所を通さず、債権者ごとに返済条件を交渉する手続きです。借金がゼロになる手続きではなく、将来利息や遅延損害金などを付けない、または減額するよう交渉し、利息制限法による引き直し後の残元本を分割返済するのが基本です。

まずは、任意整理で減額を目指すものと、原則として減らないものを確認しましょう。

項目任意整理での扱い
将来利息和解成立後から完済まで発生する予定だった利息です。
付けない条件での和解を目指しますが、債権者の合意が必要です。
遅延損害金返済の遅れによって発生する損害金です。
免除・減額を交渉しますが、残る場合もあります。
経過利息最終取引日から和解成立までに発生する利息です。
債権者によって扱いが分かれます。
借金元本引き直し計算後の残元本は原則として全額返済します。
過払い金があれば相殺できる場合があります。

任意整理で「借金が減る」といわれる場合、多くは将来利息などがカットされ、完済までの返済総額が下がることを指します。

一方で、元本そのものが当然に減るわけではありません。引き直し計算後の元本を返せる見込みがない場合は、任意整理ではなく、個人再生や自己破産を検討した方がよいケースもあります。

また、任意整理は裁判所を通さない交渉です。弁護士や、代理権の範囲内で手続きを扱う認定司法書士を通じて債権者と交渉し、双方が合意した内容で和解します。そのため、借入先の方針、延滞状況、取引期間、返済能力などによって結果は変わります。

将来利息|任意整理で最も減額効果が出やすい項目

任意整理で返済総額を抑えられる主な理由は、和解成立後の将来利息を付けないよう交渉できることです。

将来利息とは、任意整理の和解成立後、本来であれば完済まで発生し続ける利息のことです。たとえば年利15%で借りている場合、通常は残高と返済期間に応じた利息を支払い続けます。

任意整理では、和解後の将来利息を付けない条件での分割返済を提案します。合意できれば、返済した金額が元本の返済に充てられ、「利息ばかりで元本が減らない」状態から抜け出しやすくなります。

試算例:元本300万円/年利15%/元利均等・60回返済の場合

▼任意整理をせず返済する場合
元本300万円+利息約128.2万円=返済総額約428.2万円
※月利を年利÷12として計算し、追加借入れや手数料はないものとします。

▼任意整理後、将来利息を付けず60回で返済できた場合
元本300万円+将来利息0円=返済総額300万円
※経過利息・遅延損害金・専門家費用などを除きます。

この例では、将来利息をカットできれば、返済総額を約128.2万円抑えられる計算です。

ただし、将来利息を付けない条件での和解には、債権者の合意が必要です。債権者によっては利息の一部を求められたり、長期分割を希望すると一定の利息を求められたりすることがあります。

「任意整理をすれば必ず利息が0%になる」とは考えず、相談時に、自分の借入先ではどのような和解条件が見込まれるかを確認しましょう。

遅延損害金|延滞している場合は交渉対象になる

すでに返済が遅れている場合は、遅延損害金も交渉対象になります。

遅延損害金とは、決められた返済日を過ぎたことによる損害を補うために上乗せされる金銭です。貸金業者からの借入れでは、遅延損害金の上限は年20%とされています。

通常の利息より高い利率が設定されていることもあるため、延滞期間が長くなるほど負担は大きくなります。

任意整理では、和解成立までに発生した遅延損害金について、免除や一部減額を交渉します。あわせて、最終取引日から和解成立までに発生する経過利息も、付けない条件での和解を目指します。

ただし、遅延損害金や経過利息は必ずカットされるものではありません。債権者の方針、延滞期間、これまでの返済状況、希望する分割回数などによって対応は変わります。

  • 遅延損害金をどこまで免除・減額できるか
  • 経過利息を付けない条件で和解できるか
  • 希望する分割回数によって和解条件が変わるか

経過利息とは、最終取引日から和解が成立する日までに発生する利息です。遅延損害金と同様に交渉対象となりますが、実際の扱いは債権者との合意内容によります。

借金元本|原則として減額されない

任意整理で最も注意したいのは、利息制限法による引き直し後の借金元本は、原則として減額されないという点です。

任意整理では、一般に3年以内で残元本を返済する計画を立て、事情によっては5年程度の分割返済を交渉します。

たとえば残元本が300万円ある場合、和解後の将来利息を付けない条件になっても、基本的には300万円を返済する必要があります。

「元本そのものを大きく減らしたい」「元本を3〜5年程度で返済できる見込みがない」という場合は、任意整理ではなく、個人再生自己破産が検討対象になります。

過払い金があれば元本を減らせる可能性がある

任意整理で元本が減る可能性がある代表的なケースは、過払い金が発生している場合です。

過払い金とは、利息制限法で定められた上限金利を超えて支払っていた利息です。利息制限法の上限金利は、元本額に応じて年15〜20%です。

改正貸金業法は2010年6月18日に完全施行され、出資法の上限金利が年20%に引き下げられて、いわゆるグレーゾーン金利が撤廃されました。そのため、2010年6月18日より前から利息制限法の上限を超える金利で貸金業者と取引していた場合は、過払い金が発生している可能性があります。ただし、契約日だけで過払い金の有無を判断することはできません。

任意整理を依頼すると、専門家が取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づく引き直し計算を行います。過払い金が発生していれば、借金元本と相殺できることがあります。

相殺の結果、元本が減ったり、借金が0になったうえで、払いすぎた金額の返還を求められたりする場合もあります。

過払い金返還請求権には時効があります。一般に、返還請求できることを知った時から5年、または貸金業者との取引が終了してから10年の経過が問題になります。取引時期や時効の更新などによって判断が変わるため、古い借入れがある場合は早めに確認しましょう。

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任意整理後の月々の返済額はいくら?借金額別シミュレーション

任意整理で和解後の将来利息を付けない条件になった場合、月々の返済額はいくらになるのでしょうか。

ここでは、和解後の将来利息が0円経過利息・遅延損害金が加算されない残った元本を均等に分割返済するという前提で試算します。返済期間は、一般的な目安となる3年(36回)と、事情によって交渉されることがある5年(60回)です。

シミュレーションの注意点

以下の金額には、経過利息、遅延損害金、弁護士・司法書士費用、振込手数料、送金代行手数料などは含まれていません。実際の月額は、和解条件や依頼先の費用によって変わります。

借金100万〜400万円の月額返済目安

現在の借金元本に近い金額で、任意整理後の月々の返済額を確認してください。

スクロールできます
元本総額3年(36回)返済5年(60回)返済
100万円月々 約27,778円月々 約16,667円
200万円月々 約55,556円月々 約33,333円
300万円月々 約83,333円月々 約50,000円
400万円月々 約111,111円月々 約66,667円

計算式は、元本 ÷ 返済回数 = 月々の返済額です。表は1円単位で四捨五入した概算であり、実際の返済では端数を初回や最終回で調整することがあります。

自分で計算してみよう

あなたの借金元本 ÷ 希望する返済回数(36回または60回) = 月々の返済目安額

例:元本が250万円の場合
2,500,000円 ÷ 60回(5年) = 約41,667円
2,500,000円 ÷ 36回(3年) = 約69,444円

この金額を、毎月の家計から無理なく支払い続けられるかどうかが重要です。

任意整理をすれば、必ず月々の返済額が下がるわけではありません。

たとえば、借金額が50万円の人が3年(36回)で和解すると、月額は約13,889円です。現在リボ払いで月1万円ずつ返済している場合は、任意整理後の月額の方が高くなることがあります。

「返済総額は減らしたいが、月額は増やしたくない」場合は、5年(60回)での交渉を検討する必要があります。ただし、60回の分割に応じるかどうかは債権者によって異なります。

3年返済と5年返済の違い

任意整理では、返済期間を3年にするか5年にするかで、月々の負担が大きく変わります。

和解後の将来利息を付けず、経過利息・遅延損害金も加算されなければ、専門家費用などを除いた返済総額は、3年でも5年でも元本額と同じです。違うのは、月々の返済額と返済を続ける期間です。

3年(36回)返済

メリット:5年返済より早く完済できます。
デメリット:月額が高くなるため、家計に余裕がないと返済を続けにくくなります。

5年(60回)返済

メリット:3年返済より月々の返済額を抑えやすくなります。
デメリット:完済までの期間が長くなり、収入減少や支出増加の影響を受ける期間も長くなります。

元本300万円を将来利息なしで返済する場合

■ 3年(36回)返済
月額:約83,333円
返済総額:300万円

■ 5年(60回)返済
月額:約50,000円
返済総額:300万円

大切なのは、無理のない返済計画を立てることです。月額を高くしすぎて途中で支払えなくなると、和解が破綻し、残額の一括請求などを受ける可能性があります。

事情によっては60回を超える長期分割に応じる債権者もいますが、合意できるとは限りません。まずは3年を軸に、事情がある場合でも5年程度で元本を返せるか確認しましょう。

シミュレーションを見るときの注意点

上記のシミュレーションは、複数の前提条件に基づく概算です。実際に専門家へ相談する際は、以下の点を確認しましょう。

  • 将来利息を付けない条件で和解できるか

債権者が将来利息のカットに同意することが前提です。交渉結果によっては、利息が一部残る可能性もあります。

  • 返済回数を何回にできるか

36回(3年)または60回(5年)を例にしていますが、実際にはこれより短い、または長い回数での和解になる可能性があります。

  • 専門家費用を含めて払えるか

シミュレーションの月額には、弁護士や司法書士に支払う費用は含まれていません。費用の支払い方法や分割可否は事務所によって異なります。収入や資産が一定基準以下であることなどの条件を満たす場合は、法テラスの民事法律扶助制度で専門家費用を立て替えてもらえる可能性があります。

  • 複数社で条件が分かれる可能性

複数の会社から借入れがある場合、会社ごとに交渉して和解します。A社は60回、B社は40回など、返済回数や利息の条件が異なることもあります。

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任意整理で減額効果が出やすい人・出にくい人の特徴

任意整理は、将来利息などのカットを交渉し、残元本を一般に3年以内、事情によっては5年程度で返済していく手続きです。この仕組み上、返済総額を抑えやすい人と、効果が小さい人がいます。

自分の状況がどちらに近いか、確認してみてください。

減額効果が出やすい人の条件

任意整理によって返済総額を抑えやすいのは、次のような人です。

  • 利息の負担が大きい人
    年利15〜18%など、高めの金利での借入れが多い人や、リボ払いを長く利用している人
  • 返済期間が長く残っている人
    完済までの残り期間が長いほど、今後発生する予定の利息も大きくなりやすい
  • 安定した収入があり、3〜5年程度で元本を返済できる人
    任意整理は返済を続ける手続きであるため、毎月継続して支払える返済原資が必要
  • 複数社に高金利の借入れがあり、各社の将来利息が残っている人
    複数の借入先で利息負担を減らせれば、返済総額をまとめて抑えられる可能性がある

減額効果が出にくい・月額が増えやすい人の条件

一方で、任意整理をしても減額効果が小さい、または月々の返済額が増える人もいます。

  • 借金の元本が少ない人
    元本が少ないと、3年で分割した月額が現在の返済額より高くなる可能性があります。
  • すでに完済が近い人
    今後発生する利息が少ないため、カットできる将来利息も少なくなります。
  • 低金利の借入れが中心の人
    もともとの利息負担が小さい借入れでは、任意整理による返済総額の減少幅も小さくなります。
  • 安定した収入が見込めない人
    任意整理は継続返済が前提のため、毎月の返済原資を確保できない場合は和解が難しくなります。
月額が増えるリスクを再確認

任意整理の目的は、将来利息などを減らし、元本を計画的に返しやすくすることです。

現在の返済が「利息は高いものの、リボ払いなどで月々の支払額は低く設定されている」状態だと、将来利息を付けない条件になっても、元本を3〜5年程度で割った金額の方が高くなる可能性があります。

自分の場合に月額がどう変わるかは、依頼前に専門家へ試算してもらいましょう。

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任意整理で減額されるまでの流れ|受任通知から和解まで

任意整理を専門家に依頼すると、借金の減額交渉はどのように進むのでしょうか。大まかな流れを確認しておきましょう。

司法書士に依頼する場合、債権者との和解交渉を代理できるのは、法務大臣の認定を受けた認定司法書士です。認定司法書士が代理できる範囲は、簡易裁判所で扱える訴額140万円以下の民事事件や裁判外の和解などに限られます。任意整理では、借金の合計額ではなく、個別の債権ごとの価額が140万円以下かどうかが基準です。

個別の債権の価額が140万円を超える場合や、代理権の範囲を判断できない場合は、弁護士へ相談しましょう。

専門家へ相談・依頼する

まずは、借入先、借金額、金利、毎月の返済額、収入、生活費、保証人や担保の有無などを整理し、弁護士や認定司法書士に相談します。

相談時には、任意整理で返済可能か、個人再生や自己破産も検討すべきか、専門家費用はいくらかを確認しましょう。現在の返済額と、任意整理後に見込まれる返済額を比較することも重要です。

受任通知を送付し、取引履歴を取り寄せる

正式に依頼すると、専門家は各債権者に受任通知を送ります。貸金業者が弁護士や、代理権の範囲内で手続きを扱う認定司法書士から書面による通知を受けた後は、正当な理由なく本人へ直接返済を求める行為が規制されます。

ただし、親族や知人など貸金業者ではない債権者には、同じ取立て規制が適用されるとは限りません。また、すでに訴訟や差押えが進んでいる場合、受任通知だけで手続きが止まるわけではなく、別途対応が必要です。

受任通知の送付後、専門家は債権者から取引履歴を取り寄せます。契約書、利用明細、返済時の領収書などが残っている場合は、相談時に持参しましょう。

引き直し計算で正確な残高を確認する

取引履歴をもとに、利息制限法で定められた上限金利に基づく引き直し計算を行います。

これにより、現在の残高、過払い金の有無、返済すべき元本額を確認します。もともと利息制限法の範囲内の金利で借りている場合は、引き直し計算をしても元本が減らないのが通常です。

過払い金がある場合は、借金元本と相殺できることがあります。相殺後も過払い金が残る場合は、返還を求められる可能性があります。

返済計画を作り、債権者と交渉する

借金額が確定したら、収入と支出をもとに、毎月継続して支払える返済額を計算します。

専門家は、将来利息を付けない条件、遅延損害金や経過利息の扱い、返済回数、毎月の返済額などについて債権者と交渉します。

返済案を確認するときは、次の点をチェックしましょう。

  • 月額と返済回数は、家計状況と照らして無理がないか
  • 返済開始日はいつか
  • 端数を初回・最終回のどちらで調整するか
  • 専門家費用や送金手数料を別にいくら支払うか
  • 何回支払いが遅れると、残額を一括請求される条件になるか

和解契約を結び、返済を開始する

債権者が和解案に同意したら、和解契約書を取り交わします。その後、和解内容に基づいて返済を始めます。

返済方法は、本人が各社へ直接振り込む場合もあれば、依頼した事務所が送金を代行する場合もあります。送金代行を利用する場合は、毎月の手数料や、事務所との契約が終了する時期も確認しましょう。

60回を超える長期分割は、債権者が応じないこともあります。最初から長期分割を前提にせず、家計と返済可能額をもとに現実的な計画を立てることが重要です。

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任意整理・個人再生・自己破産の減額幅を比較

任意整理は、主に将来利息などを付けない条件での和解を目指す手続きです。引き直し後の元本そのものを減らしたい場合は、個人再生や自己破産と比較する必要があります。

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手続き元本の扱い返済の有無向いている人の例
任意整理原則減りません。将来利息などのカットを交渉します。あり元本なら返せる人、整理する借入先を選びたい人
個人再生法律上の基準に沿って、元本が圧縮される可能性があります。あり元本全額は返せないが、住宅ローン特則の利用も検討したい人
自己破産免責許可決定が確定すれば、非免責債権を除き支払責任がなくなります。原則なし継続返済が難しく、財産への影響も含めて手続きを検討する人

任意整理は裁判所を通さずに進められ、交渉する借入先を選べる点が特徴です。一方で、引き直し後の元本を返済できる見込みがない場合には向いていません。

個人再生や自己破産は裁判所を利用する手続きです。費用や期間、財産、住宅、保証人への影響なども含めて比較する必要があります。

信用情報の登録項目は、信用情報機関によって異なります。CICでは、弁護士・司法書士に債務整理を依頼した事実そのものをコメントとして登録する項目はありませんが、延滞や保証履行、契約終了などの客観的な取引情報は登録対象です。JICCでは債務整理などが取引事実の登録項目に含まれ、全国銀行個人信用情報センターでは、破産・民事再生手続開始決定の官報情報が決定日から7年を超えない期間登録されます。こうした情報は、ローンやクレジットカードなどの審査に影響することがあります。

どの手続きが適しているかは、借金の総額、収入、資産、住宅ローン、保証人の有無によって異なります。判断に迷う場合は、法テラスや弁護士・司法書士へ相談できる窓口を利用するとよいでしょう。

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個人再生:元本が大幅に減額される可能性がある

個人再生は、任意整理と異なり、元本そのものを減額できる可能性がある手続きです。裁判所に申し立て、再生計画が認められれば、法律で定められた基準に沿って借金を圧縮できる場合があります。

小規模個人再生では、住宅ローンなどを除く基準債権総額が100万円以上500万円以下の場合、債務額を基準にした最低弁済額は100万円です。たとえば借金500万円の場合、清算価値などが100万円以下で、ほかの要件も満たせば、100万円を原則3年で返済する再生計画が認められる可能性があります。

ただし、実際の返済額は債務総額だけで決まりません。保有財産を換価した場合の金額である清算価値を下回る計画は認められず、給与所得者等再生では可処分所得の2年分以上という基準も加わります。事情がある場合は、返済期間が最長5年になることもあります。

住宅ローン特則の要件を満たせば、住宅ローンの返済を続けながら、ほかの借金を再生計画に沿って返済し、自宅を残せる場合があります。ただし、住宅ローン自体が当然に減額される制度ではありません。

自己破産:免責対象の借金は支払責任がなくなる

自己破産は、借金を継続して返済することが困難な場合に、裁判所へ申し立てる手続きです。免責許可決定が確定すれば、税金や養育費などの非免責債権を除き、借金を法律上返済する責任がなくなります。

ただし、自己破産を申し立てれば必ず免責されるわけではありません。浪費やギャンブル、財産隠し、虚偽申告などは、免責不許可事由に該当する可能性があります。

一方で、免責不許可事由があっても、事情や手続きへの協力状況などを裁判所が総合的に考慮し、裁量によって免責を許可する場合があります。浪費やギャンブルがあれば一律に免責されないわけではありません。

また、一定以上の価値がある財産は処分対象になることがあります。自己破産は生活再建のための重要な制度ですが、財産や保証人への影響もあるため、個別事情を踏まえて判断する必要があります。

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【ケーススタディ】任意整理の減額効果を具体例で解説

任意整理で和解後の将来利息を付けない条件になった場合、返済額がどのように変わるかを2つの試算で確認します。

いずれもシミュレーション上の概算です。実際の交渉結果、経過利息、遅延損害金、専門家費用、各社の利息計算方法などによって金額は変わります。

事例1:借金300万円・年利15%の場合

消費者金融やクレジットカードのキャッシングなどで、合計300万円、年利15%の借金があるAさんのケースです。

借金元本300万円
金利年利15%
現状の返済月々約71,370円
※月利を年利÷12とした元利均等・残り60回、追加借入れなしと仮定
このまま返済した場合利息:約128.2万円
返済総額:約428.2万円

このまま払い続けると、月々約71,370円を返済しても、その一部は利息に充てられます。

任意整理で和解後の将来利息を付けない条件になった場合は、次のように変わります。

返済期間月々の返済額返済総額特徴
3年(36回)約83,333円300万円月額は上がるが、早く完済できる
5年(60回)約50,000円300万円月額を抑えやすい

3年返済では月額が現状より上がりますが、完済までの期間を短くできます。5年返済では月額が現状より約2.1万円下がり、家計への負担を抑えやすくなります。

どちらが適切かは、Aさんの家計状況と債権者との交渉結果によって決まります。月額だけでなく、収入が下がった場合にも返済を続けられるか確認することが大切です。

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事例2:元本100万円で金利別の利息を比較

任意整理による返済総額の減少幅は、元の金利が高く、完済までの残り期間が長いほど大きくなりやすいです。カットの対象となる将来利息が多くなるためです。

元本100万円・元利均等・5年返済の場合の総利息イメージ

▼年利18%
利息負担:約52.4万円

▼年利15%
利息負担:約42.7万円

▼年利8%
利息負担:約21.7万円

※月利を年利÷12とした毎月同額返済で、追加借入れや手数料はないものとして計算しています。

年利18%の借金なら、この条件で5年間に発生する利息は約52.4万円です。任意整理で和解後の将来利息を付けない条件になれば、その分だけ返済総額を抑えられる可能性があります。

一方、年利8%の借入れでは、もともとの利息が少ないため、任意整理による返済総額の減少幅は相対的に小さくなります。

ただし、高金利だからといって必ず大幅に減額できるわけではありません。債権者が条件に合意しない場合や、すでに返済が進んでいて将来利息が少ない場合もあるため、個別の試算が必要です。

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まとめ

任意整理で主に減額を目指すのは、和解成立後の将来利息です。借金元本は原則として減りません。一般に3年以内、事情によっては5年程度で残元本を分割返済する計画を立てます。

高金利の借入れが多く、完済までの期間が長く残っている人ほど、将来利息のカットによる返済総額の減少幅は大きくなりやすいです。

一方で、元本が少ない場合や、現在の返済額を低く設定している場合は、任意整理後の月額が増えることもあります。将来利息が減るかだけでなく、和解後の月額を継続して支払えるかを確認することが重要です。

自分の場合に月々いくらになるのか、そもそも任意整理が向いているのかは、借入先や家計状況によって変わります。まずは現在の借入額、金利、毎月の返済額、収入、生活費を整理し、専門家に試算してもらうことから始めましょう。

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任意整理の減額に関するよくある質問(FAQ)

最後に、任意整理による借金の減額について、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめます。

利息が全額カットされないケースもある?

はい、あります。任意整理は債権者との交渉であり、将来利息を付けない条件での和解が保証されているわけではありません。債権者の方針によっては、将来利息の一部を求められたり、長期分割を条件に一定の利息を求められたりすることがあります。相談時に、借入先ごとの見込みを確認しましょう。

過去の遅延損害金はどうなる?

専門家が、和解成立までの遅延損害金や経過利息を付けない、または減額するよう交渉します。ただし、債権者の方針や延滞期間によっては、全額免除が難しいこともあります。依頼前に、遅延損害金を含めた現在の残高と、想定される和解額を確認しましょう。

交渉が不成立になった場合の対処法は?

特定の債権者と合意できない場合は、その債権者への対応を続けながら、ほかの会社とだけ和解できるかを検討します。任意整理で返済計画を立てられない場合は、個人再生や自己破産への方針変更も選択肢です。費用面で不安がある場合は、法テラスの民事法律扶助制度を利用できるかも含めて専門家に相談しましょう。

任意整理すると月々の返済額はどう変わる?

下がる場合もあれば、上がる場合もあります。任意整理では将来利息などのカットを目指し、残った元本を一般に3年以内、事情によっては5年程度で返済します。現在の返済額が高ければ月額が下がる可能性がありますが、リボ払いなどで月額を低く設定している場合は、任意整理後の月額が上がることもあります。元本を36回や60回で割り、家計から継続して支払えるか確認しましょう。

複数の借入先のうち1社だけでも任意整理できる?

はい、原則として可能です。任意整理は、交渉する借入先を選べるのが特徴です。保証人が付いている借入れや、担保のあるローンを対象から外すことも検討できます。ただし、一部の借入れを除外した結果、家計全体の返済が成り立たなくなることもあります。保証人、担保、給与振込口座などへの影響を確認したうえで、どの借入先を対象にするか専門家と決めましょう。

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出典

e-Gov法令検索「利息制限法」
e-Gov法令検索「貸金業法」
金融庁「貸金業法のキホン」
日本貸金業協会「上限金利について」
公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会「任意整理について|多重債務Q&A」
山梨県弁護士会「任意整理における統一基準に関する会長声明」(公開日:2012年6月2日)
日本司法書士会連合会「最高裁平成28年6月27日判決を受けて(会長談話)」
法テラス「過払金返還請求権の時効は何年ですか。」
法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」
裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」
e-Gov法令検索「破産法」
大阪地方裁判所「倒産部(第6民事部)」
CIC「裁判所へ特定調停や民事再生を申請した場合、および弁護士・司法書士に債務整理を依頼した場合、自分の信用情報にその事実がコメントとして登録されますか?」
JICC「信用情報の内容と登録期間」
全国銀行個人信用情報センター「センターの概要」

この記事を書いた人

債務整理メディアは、借金問題で一歩を踏み出せない方に向けて、債務整理に関する各手続きの違いや費用・リスクをわかりやすく解説している。公平かつ透明性の高い情報発信を通じて、利用者が再スタートを切るための最短ルートを示すことを目標としている。独自アンケートのデータを掛け合わせ、任意整理借金減額診断などの情報を詳細に整理。さらに、債務整理におすすめの相談先や、自己破産に強い弁護士・司法書士事務所についても具体的な情報を提供している。

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