リボ払いは任意整理できる?返済が終わらない理由と解決方法を解説

この記事で解決できるお悩み
  • リボ払いの返済がなぜ終わらないか知りたい
  • 任意整理で借金がどう減るか知りたい
  • 任意整理のメリットとリスクを知りたい
  • 自分が任意整理に向いているか判断したい
  • 手続きの流れや費用を具体的に知りたい

毎月きちんと返済しているのに、リボ払いの残高がなかなか減らないと感じていませんか。

その場合、毎月の支払額に占める手数料の割合が大きく、元金が思ったほど減っていない可能性があります。さらに、返済中に新しくリボ払いを使うと、残高が横ばいになったり、増え続けたりすることもあります。

任意整理では、将来のリボ手数料や返済期間についてカード会社と交渉し、完済までの道筋を明確にできる可能性があります。ただし、元金は原則として残り、信用情報にも影響するため、家計に合う手続きか慎重に判断することが大切です。

本記事では、リボ払いの返済負担を任意整理で軽くする仕組みを解説します。任意整理の仕組み、費用の目安、信用情報への影響、今日から確認すべきことまで、順番に見ていきましょう。

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目次

リボ払いの返済が長引くのはなぜ?仕組みを解説

まずは、リボ払いの基本的な仕組みと、返済しても元金が減りにくい理由を確認しましょう。

リボ払いの仕組みと手数料はどれくらい?

リボ払い(リボルビング払い)とは、クレジットカードの利用件数や利用金額にかかわらず、毎月の支払額を一定にしやすい支払い方法です。

便利に見える一方で、利用残高に応じた手数料がかかります。2026年8月時点で、楽天カードのショッピングリボ手数料率は、楽天ブラックカード・楽天プレミアムカードが実質年率15.00%、その他のカードが実質年率17.64%です。

三井住友カードでは、2026年3月31日以降に新規入会またはリボ払い利用枠を設定したカードについて、入会時は実質年率18.0%、入会後は条件により実質年率9.8%〜18.0%です。2026年3月30日以前に新規入会または利用枠を設定したカードは実質年率15.0%が基本ですが、カードの種類によって異なる場合があります。

たとえば、残高30万円、実質年率15%の場合、1か月分の手数料を単純計算すると次のようになります。

300,000円 × 15% ÷ 12か月 = 3,750円

毎月の支払額に手数料が含まれる方式で月1万円を支払う場合、初月は3,750円が手数料に回り、元金に充てられるのは6,250円です。支払額のうち手数料を差し引いた分だけ元金が減るため、支払額が少ないほど完済まで時間がかかりやすくなります。

実際の手数料は、カード会社が定める利用日数、締切日、端数処理などで計算されるため、上記は概算です。正確な金額は利用明細やカード会社の返済シミュレーションで確認してください。

また、カード会社によっては「元金定額+手数料」の方式もあります。この場合は、設定した元金返済額に手数料が上乗せされます。自分のカードがどの方式かは、会員規約や利用明細で確認しましょう。

分割払いとの違いは?元金が減りにくい理由

リボ払いと混同されやすい支払い方法に、分割払いがあります。どちらも手数料がかかる場合がありますが、完済時期の見え方が大きく異なります。

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比較項目リボ払い分割払い
支払い方法利用残高に応じて毎月支払う利用ごとに決めた回数で支払う
手数料利用残高と利用期間に応じてかかる利用金額と支払回数に応じてかかる
完済時期新規利用で延びやすい原則として支払回数が決まっている

分割払いは、たとえば「10万円の商品を10回払い」と決めれば、その利用分は原則として10回の支払いで終わります。

一方、リボ払いは利用残高に対して手数料が発生し続けます。さらに新規利用を続けると、返済しても残高が減らず、完済時期が後ろ倒しになりやすい仕組みです。

返済が進んでいるか判断するには、利用明細で「リボ残高」「当月の手数料」「元金に充てられた金額」「新規利用額」を確認してください。新規利用額が元金返済額を上回っていれば、毎月支払っていても残高は増えます。

返済が進まない人が陥る典型的なパターン

リボ払いの返済が進まない人には、いくつかの共通点があります。

パターン1

最低支払額だけを返済しています。返済額が少ないと、手数料を差し引いたあとに元金へ充てられる金額も小さくなります。

パターン2

返済と新規利用を繰り返しています。返済で利用枠が空いても、再びリボ払いを使うと、残高は横ばいになるか増加します。

パターン3

複数のカードでリボ払いを利用しています。カードごとの請求額は小さく見えても、合算すると家計から返済できる金額を超えていることがあります。

この状態が続くと、生活費が不足したり、支払日に間に合わなくなったりするおそれがあります。延滞が長引けば信用情報にも影響し、将来的にクレジットカードの作成やローン契約が難しくなる可能性があります。

まずはリボ払いの新規利用を止め、すべてのカードについて残高と毎月の支払額を書き出しましょう。現在の収入では完済の見通しが立たない場合は、延滞する前に専門家へ相談してください。

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任意整理とは?リボ払いの返済負担が軽くなる仕組み

リボ払いの返済が難しくなったときの解決策の一つが、任意整理です。ここでは、任意整理がどのような手続きで、返済負担をどう軽くするのかを解説します。

任意整理の目的は?将来利息・手数料の減免を交渉

任意整理とは、裁判所を通さずに、弁護士または取扱範囲内の認定司法書士が債権者と直接交渉し、支払額や支払方法について合意を目指す手続きです。

主な交渉事項は、和解後に発生する将来利息・手数料や遅延損害金の減免、返済期間、毎月の返済額です。

ショッピングリボの返済が進まない大きな原因は、利用残高に対して継続的に発生する手数料です。将来の手数料をカットまたは軽減できれば、和解後に支払った金額が元金に充てられやすくなり、完済までの道筋が見えやすくなります。

ただし、任意整理はあくまで債権者との交渉です。すべての債権者が将来利息・手数料の全額カットや希望する分割回数に応じるわけではありません。取引期間、延滞状況、債権者の方針、毎月返済できる金額などによって和解条件は変わります。

分割返済の目安は?3〜5年での完済を目指す

将来利息・手数料を減免したうえで、残った元金などを分割返済します。36回払いは一般的な和解例の一つであり、債権者や家計の状況によっては60回程度の分割を交渉することもあります。

ただし、3年や5年という期間が法律で一律に決まっているわけではありません。取引期間が短い場合や債権者の方針によっては、60回払いに応じてもらえないこともあります。

たとえば、リボ払いの元金が180万円残っている場合、36回払いなら月5万円、60回払いなら月3万円が返済額の目安です。毎月いくらまでなら継続して返済できるかを家計から逆算し、現実的な計画を作ります。

返済可能額の目安:残元金 ÷ 36〜60回 = 毎月必要な返済額

この金額に専門家費用や振込手数料などを加えても支払いを続けられるか確認してください。継続が難しい場合は、任意整理ではなく、個人再生や自己破産を検討したほうがよいケースもあります。

個人再生・自己破産との違いを比較

借金問題を解決する手続きには、任意整理のほかに個人再生や自己破産もあります。個人再生と自己破産は裁判所を通じて行う手続きであり、任意整理とは仕組みが異なります。

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手続き任意整理個人再生自己破産
関与機関裁判所を通さない私的交渉裁判所裁判所
債務の扱い元金は原則そのまま返済法律上の基準により減額される可能性がある免責許可の確定により、多くの債務の支払義務が免除される
返済期間36〜60回程度を交渉する例がある原則3年、特別な事情があれば5年以内免責された債務は返済不要
対象の選択選べる原則としてすべての債権者を対象にする原則としてすべての債権者を対象にする
保証人への影響対象から外せば影響を避けやすい保証人に請求される可能性がある保証人に請求される可能性がある
財産への影響裁判手続による処分は原則ない原則維持できるが、財産額が返済額に影響する場合がある一定以上の財産は処分対象になる場合がある
信用情報影響あり影響あり影響あり

任意整理の大きな特徴は、交渉の対象とする債務を選べる点です。たとえば、保証人がいる借金や住宅ローンを対象から外し、リボ払いだけを整理することも検討できます。

一方、個人再生や自己破産は、元金を大きく減らしたり、多くの債務の支払義務を免除してもらったりできる可能性がある手続きです。ただし、裁判所が関与し、財産や保証人への影響も考慮する必要があります。

なお、税金、養育費、罰金など、自己破産の免責対象にならない債務もあります。どの手続きが適しているかは、収入、資産、家族構成、借金総額、債務の種類によって変わります。

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任意整理でリボ払いを解決する3つのメリット

任意整理には、返済の負担を軽くし、完済までの計画を立てやすくするメリットがあります。

将来利息・手数料の減免で支払総額が減る可能性がある

大きなメリットは、和解後の将来利息・手数料をカットできる可能性があることです。

たとえば、リボ残高100万円、実質年率15%、毎月2万円返済の場合を考えます。実質年率を12で割った月率を使い、毎月の支払額に手数料を含む方式、新規利用なしで概算すると、完済まで約6年7か月、手数料総額は約58万円です。

任意整理で元金100万円を36回払いにできた場合、毎月返済額は約2万7,800円です。月額は増えますが、将来利息・手数料が全額カットされれば、債権者への支払総額は元金100万円に近づきます。

リボ継続:約158万円(概算)
任意整理後の返済元金:約100万円
差額:約58万円(専門家費用等を除く)

この試算には、専門家費用、和解までに発生する手数料・遅延損害金、各社への振込手数料などを含めていません。実際の支払総額は債権者との交渉結果や依頼先の費用によって変わります。

同じ手数料率と返済条件であれば、残高が大きいほど、減免できる将来利息・手数料の額も大きくなりやすい傾向があります。

返済額と完済時期のめどが立つ

任意整理では、残った元金などを36〜60回程度で分割返済する計画を交渉します。そのため、和解が成立すれば「あと何回、毎月いくら払えば終わるのか」が明確になります。

リボ払いを続けていると、新規利用や手数料の影響で完済時期が見えにくくなります。任意整理によって返済計画を固定できれば、毎月の家計も管理しやすくなります。

ただし、任意整理をしても毎月の返済額が必ず下がるとは限りません。現在の支払額が少ない場合は、一定期間で元金を完済するために月々の返済額が増えることもあります。月額だけでなく、支払総額と完済時期を含めて判断しましょう。

受任通知後は直接の督促が止まることが多い

弁護士や司法書士に任意整理を依頼すると、専門家は債権者へ受任通知を送ります。貸金業者が受任通知を受け取った後は、正当な理由なく本人へ直接取立てを行うことが制限されます。

ただし、依頼した当日に必ず督促が止まるわけではありません。通知が債権者に届くまで数日かかることがあります。また、銀行や個人債権者などには、貸金業法上の直接取立て禁止が及ばない場合もありますが、専門家が受任した後は本人への連絡が止まるケースが一般的です。

直接の督促が止まることと、債権者への返済を止めてよいことは別です。依頼後の返済方法は担当する専門家が決めた方針に従い、自己判断で支払いを止めたり、一部の債権者だけに返済したりしないでください。

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任意整理で注意すべき3つのリスク・デメリット

任意整理にはメリットがある一方で、事前に理解しておきたいデメリットもあります。手続き後に後悔しないために、リスクと対処策を確認しましょう。

信用情報に影響しカードやローンの審査が難しくなる

一般に「ブラックリストに載る」と表現されることがありますが、その名称の名簿が存在するわけではありません。信用情報機関には、契約内容や返済状況などの客観的な情報が登録されます。

JICCでは、「債務整理」が取引事実に関する登録項目に含まれます。CICでは、債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されませんが、契約内容や支払状況として延滞、保証履行、破産などが登録されることがあります。

CICのクレジット情報は、契約期間中および契約終了後5年以内です。JICCでは契約日と情報の種類で異なり、債務整理について、契約日が2019年9月30日以前なら発生日から5年を超えない期間、2019年10月1日以降なら契約継続中および契約終了後5年以内です。

したがって、「任意整理を始めた日から一律5年で消える」とは限りません。契約終了日や各信用情報機関の登録内容によって期間が変わります。

起こり得る影響

新たなクレジットカードの作成、スマートフォン端末の分割購入、自動車ローンや住宅ローンなどの審査が難しくなる可能性があります。利用中のカードも、更新や途上与信の際に停止されることがあります。

対処策

現金、口座振替、デビットカードなどで生活できるよう、公共料金や通信費を含む支払い方法を見直しましょう。自分が本会員の場合は家族カードも停止される可能性があります。

原則として借金の元金自体は減らない

任意整理は、将来利息・手数料のカットや返済条件の見直しを交渉する手続きです。そのため、ショッピングリボで利用した元金自体は原則として減りません。

残っている元金に、和解までに確定した手数料や遅延損害金などを加えた金額を、36〜60回程度で分割返済する場合があります。元金が大きすぎると、分割にしても毎月の返済額が家計を圧迫します。

知っておくべき点

キャッシングなどの金銭の貸付取引で、過去に利息制限法の上限を超える利率で取引していた場合は、引き直し計算によって元金が減ったり、過払い金が発生したりすることがあります。ショッピングリボは商品・サービスの購入代金の立替払いであり、利息制限法にもとづく引き直し計算の対象ではありません。

対処策

元金が大きすぎて36〜60回程度で返済できない場合は、任意整理にこだわらず、個人再生や自己破産も含めて検討しましょう。

購入した商品が引き上げられる可能性がある

自動車ローン、一部の高額商品の分割契約、クレジットカードの会員規約などには、代金を完済するまで商品の所有権を信販会社・カード会社などに留保する条項が設けられていることがあります。

所有権留保付きの契約を任意整理の対象にすると、商品が引き上げられる可能性があります。特に自動車が生活や仕事に必要な場合は、任意整理の対象に含める前に契約書や会員規約を確認しましょう。

ただし、任意整理をしただけで購入品が一律に引き上げられるわけではありません。実際の対応は、所有権留保条項の内容、商品の種類・価値・状態、債権者の方針などによって異なります。

引き上げられると生活に支障が出る商品がある場合は、その契約を任意整理の対象から外せるか、ほかの債務だけを整理して返済を続けられるかを専門家に相談してください。

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任意整理が向いている人は?判断の3つの目安

任意整理は万能な手続きではありません。リボ払いに悩むすべての人に適しているわけではなく、安定収入、残元金、毎月の返済可能額によって向き不向きがあります。

迷った場合は、法テラスや弁護士・司法書士の無料相談を利用し、自分の状況に合う手続きか確認しましょう。

返済負担が収入に対して大きい

貸金業法では、個人が貸金業者から借り入れる場合、原則として、すべての貸金業者からの借入残高の合計が年収の3分の1を超える新たな貸付は行われません。これを総量規制といいます。

ただし、クレジットカードのショッピングリボは、総量規制の対象となる貸付とは異なります。そのため、ショッピングリボの残高が年収の3分の1を超えても、それだけで貸金業法上の違反になるわけではありません。

また、年収の3分の1は任意整理を利用できるかどうかの法定要件ではありません。年収の3分の1という総量規制の基準だけで判断せず、毎月の返済額、生活費、税金、保険料、貯蓄状況から自力で完済できるかを確認してください。

滞納している、または借金で返済している

すでにリボ払いを滞納している場合だけでなく、次回の支払日に間に合わない見込みがある場合や、別のカードローンやキャッシングで返済資金を借りている場合も、早めに相談したほうがよい状態です。

借金で借金を返す状態は、新たな利息や手数料が加わり、状況を悪化させやすくなります。延滞が続けば、信用情報への影響や一括請求につながる可能性もあります。

新たな借入れで支払いをつなぐ前に、専門家へすべての債務と家計状況を伝え、返済計画を見直しましょう。相談前に自己判断で返済を止めるのではなく、当面の支払いをどうするかも含めて助言を受けてください。

安定収入があり3〜5年で完済できる

任意整理では、残った元金などを36〜60回程度で分割返済する内容を交渉するのが一般的です。そのため、今後も継続的な収入が見込めることが重要です。

会社員だけでなく、パートやアルバイトでも、毎月一定の収入があり、生活費を差し引いたあとに返済原資を確保できる見込みがあれば、任意整理を検討できます。

残元金 ÷ 36回または60回 ≦ 毎月の返済可能額

この式が成り立つかどうかが一つの目安です。ただし、実際には専門家費用、振込手数料、税金や医療費などの臨時支出も考慮する必要があります。ボーナスは不確実なため、基本的には毎月の収入だけで支払える金額で考えましょう。

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任意整理の手続きは?相談から返済開始までの流れ

ここでは、専門家への相談から、新しい返済条件での支払いが始まるまでの一般的な流れを解説します。

手順1 弁護士・司法書士へ相談し依頼する

まずは、借金問題に詳しい弁護士や司法書士に相談します。初回相談を無料にしている事務所もあります。

司法書士に依頼する場合は、簡裁訴訟代理等関係業務の認定を受けた司法書士かどうかを確認してください。認定司法書士が代理できる範囲は、原則として債権者1社ごとの債権額が140万円以下の事件です。

1社あたりの債権額が140万円を超える場合や、地方裁判所での手続きが見込まれる場合は、弁護士への相談が基本になります。

相談時には、債権者一覧、督促状、直近の利用明細、給与明細、家計簿、通帳、クレジットカード、本人確認書類などを用意しておくとスムーズです。資料がすべてそろっていなくても相談できるため、分かる範囲で整理しましょう。

書類がそろっていなくても、分かる範囲で債権者名、残高、毎月の支払額をメモしておけば相談できます

家計簿が続かない場合は、直近1〜2か月の通帳やカード明細から固定費と生活費を整理しましょう

方針や費用に納得できたら、正式に委任契約を結びます。費用面に不安がある場合は、分割払いが可能か、法テラスの民事法律扶助制度を利用できるか確認しましょう。

手順2 取引履歴の開示請求と残高確認

依頼を受けた専門家は、各債権者に受任通知を送付します。債権者が通知を受け取った後は、本人への直接連絡が止まるケースが多くなります。

受任後に債権者への返済をどう扱うかは、専門家の方針に従ってください。受任通知を送ったことだけを理由に、自己判断で支払いを止めたり、特定の債権者だけへ返済したりするのは避けましょう。

その後、債権者から取引履歴を取り寄せ、残高を確認します。キャッシングなどの金銭の貸付取引がある場合は、過去の取引が利息制限法の上限金利である年15〜20%を超えていなかったかも確認します。

キャッシングなどで上限を超える利息を支払っていた場合は、引き直し計算によって元金が減ることがあります。過払い金が発生していれば、返還請求につながることもあります。ショッピングリボは利息制限法にもとづく引き直し計算の対象ではありません。

手順3 債権者との和解交渉と合意書作成

必要な引き直し計算を行って残高を確定したら、専門家が債権者と和解交渉を行います。

  • 将来利息・手数料や遅延損害金の減免
  • 36回〜60回程度の分割返済
  • 毎月の支払日と支払い方法

交渉がまとまると、合意内容を記した合意書や和解書を取り交わします。任意整理は相手方の合意が必要な手続きであり、必ず希望どおりの条件になるとは限りません。

合意する前に、毎月の返済額、返済回数、支払日、遅延時の扱い、振込先、繰り上げ返済の可否を確認してください。

手順4 合意内容にもとづき分割返済を開始

債権者との和解が成立したら、新しい条件での分割返済が始まります。返済方法には、債権者の指定口座へ直接振り込む方法や、専門家が預かって各社へ送金する代行弁済などがあります。

代行弁済では、毎月の送金管理料がかかる場合があります。債権者への振込手数料を含め、完済までに必要な費用を契約前に確認しましょう。

返済開始後のチェックリスト
  • 返済日の前日までに必要額を入金する
  • 返済資金と臨時出費用の予備費を分けて管理する
  • 支払いが難しいと分かった時点で専門家へ連絡する

自分で手続きする場合の注意点

弁護士や司法書士に依頼せず、自分でカード会社と交渉したり、裁判所の特定調停を利用したりすることも不可能ではありません。ただし、次のような難しさがあります。

交渉の難航

将来利息・手数料のカットや長期分割を希望しても、債権者に応じてもらえない可能性があります。

事務作業の負担

取引履歴の開示請求、残高確認、必要な場合の引き直し計算、和解条件や書面の確認などを自分で行う必要があります。

督促が止まりにくい

専門家による受任通知がないため、交渉中も督促や連絡が続く可能性があります。

費用面に不安がある場合でも、まずは法テラスや無料相談を利用し、自分で交渉した場合を含めて専門家の見立てを確認することをおすすめします。

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任意整理にかかる費用|弁護士・司法書士の料金と法テラス

任意整理を専門家に依頼する場合、費用は依頼先、債権者数、交渉内容によって変わります。契約前に、税込みの総額、追加費用が発生する条件、支払時期、分割払いの可否を確認しましょう。

弁護士・司法書士に依頼する場合の費用項目

主な費用項目は、相談料、着手金、解決報酬金、減額報酬金、実費です。報酬の名称や算定方法は依頼先によって異なります。

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費用の種類目安支払時期確認ポイント
相談料事務所ごとに異なる相談時初回無料や債務整理相談無料の場合もある
着手金事務所ごとに異なる依頼時または分割債権者数と追加着手金の条件を確認
解決報酬金弁護士は原則1社2万円以下(税別)
司法書士は事務所ごと
和解成立時弁護士の商工ローン事件は原則1社5万円以下(税別)
減額報酬金弁護士は減額分の10%以下(税別)
司法書士は事務所ごと
減額成功時将来利息のカットを減額報酬の対象にするか確認
実費実際に生じた額随時または精算時郵便代、振込手数料、送金管理料などを確認

日本弁護士連合会の報酬ルールでは、解決報酬金や減額報酬金に上限がありますが、着手金には一律の上限額が定められていません。司法書士報酬も事務所ごとに異なるため、契約書と見積書で確認してください。

たとえば3社を任意整理する場合、着手金や解決報酬金が3社分かかることがあります。「1社あたりの料金」だけでなく、消費税、実費、送金管理料を含む完済までの総額を比較することが大切です。

法テラスを利用できる条件と費用の目安

経済的に余裕がない場合は、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。

民事法律扶助制度は、収入や資産が一定基準以下であること、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に適することなどの条件を満たす人が、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替えを利用できる制度です。利用には審査があります。

法テラスが公表している任意整理事件の費用目安は、次のとおりです。

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債権者数着手金実費合計
1社33,000円10,000円43,000円
2社49,500円15,000円64,500円
3社66,000円20,000円86,000円
4社88,000円20,000円108,000円
5社110,000円25,000円135,000円
6〜10社154,000円25,000円179,000円
11〜20社176,000円30,000円206,000円
21社以上198,000円35,000円233,000円

実際の費用は事件の内容や審査によって決まるため、必ずこの金額になるとは限りません。立替金は法テラスが決めた条件で分割返済します。

生活保護を受給している場合は、立替金の返済が猶予されることがあります。事件終了後も生活保護を受給している場合は、返済免除を申請できますが、自動的に免除されるわけではなく、法テラスの審査が必要です。

費用の分割払いや実費はいつ支払う?

事務所によっては、費用の分割払いに対応しています。

任意整理を依頼した後、専門家の方針により、和解成立まで債権者への返済をいったん止め、その期間に専門家費用を積み立てる運用が取られることがあります。

ただし、依頼者が自己判断で返済を止めてよいわけではありません。支払日が近い場合は、依頼前または依頼直後に担当者へ確認してください。

依頼時または費用積立期間中

契約内容に応じて、着手金や実費を一括または分割で支払います。

和解成立時

契約内容に応じて、解決報酬金や減額報酬金が発生する場合があります。

和解成立後

債権者への分割返済が始まります。法テラスを利用した場合は、立替金の返済条件も確認します。

実費は、依頼時に預かり金として支払う場合もあれば、発生するたびに支払う場合や、最後に精算する場合もあります。事務所によって扱いが異なるため、契約前に書面で確認しましょう。

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任意整理で失敗しないための注意点

任意整理をしたあとも無理なく返済を続け、確実に完済するには、対象とする債務や和解条件を慎重に決める必要があります。

保証人がいる借金は対象から外すか慎重に判断する

任意整理を検討している借金に保証人がいる場合は、その借金を対象に含める前に、保証人への影響を確認してください。

主債務者が任意整理を始めると、債権者が保証人に残額を請求する可能性があります。保証人への請求を避けたい場合は、保証人付きの借金を対象から外し、リボ払いなどほかの借金だけを整理する方法を検討します。

ただし、保証人付きの借金を対象から外しても、家計全体で返済を続けられるとは限りません。専門家には対象外にしたい借金を含め、すべての債務を伝えたうえで現実的な方針を決めましょう。

交渉が難しいケースと返済期間の限度

任意整理はあくまで交渉であり、債権者が応じなければ成立しません。次のようなケースでは、将来利息・手数料のカットや長期分割の交渉が難航する可能性があります。

  • 長期間にわたって延滞を続けている
  • 取引を始めてから間もない
  • 過去の任意整理後に返済を滞納したことがある

36回〜60回は一般的な交渉例であり、60回を超える長期分割に応じるかは債権者によります。60回払いでも返済が難しい場合は、個人再生や自己破産を検討する分岐点です。

和解後に返済を延滞した場合のリスク

和解が成立し、分割返済が始まった後も注意が必要です。和解書には「2回分以上の延滞で期限の利益を喪失する」といった条項が定められることがあります。実際の条件は和解書によって異なります。

期限の利益を喪失すると、分割で支払う権利を失い、残額を一括請求される可能性があります。さらに遅延損害金が発生することもあります。

病気、失業、収入減などで返済が難しくなった場合は、支払日を過ぎるまで放置せず、分かった時点で専門家や債権者へ連絡しましょう。事情によっては、再交渉や別の債務整理手続きを検討する必要があります。

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任意整理で支払総額はどう変わる?事例で比較

任意整理によって毎月の返済額や支払総額がどのように変わるのか、リボ払いを想定した2つの事例で比較します。

リボ払い継続時は、実質年率を12で割った月率、毎月の支払額に手数料を含む方式、新規利用なしで概算しています。任意整理後は、将来利息・手数料0円、36回または60回で和解できた場合を想定しています。

カード会社の日割計算、締切日、端数処理などにより実際の金額は異なります。また、専門家費用、和解までの手数料・遅延損害金、振込手数料などは含めていません。

事例1 借金50万円(実質年率15%)の場合

<ビフォー> リボ払い継続(毎月1.5万円)
初月の手数料

500,000円 × 15% ÷ 12 = 6,250円

初月の元金返済

15,000円 − 6,250円 = 8,750円

完済までの期間

約3年8か月

支払総額

約65万円(うち手数料 約15万円)

<アフター> 任意整理(36回払い)
将来の手数料

0円で和解できた場合

毎月の返済額

500,000円 ÷ 36回 = 約13,900円

完済までの期間

3年(36回)

支払総額

50万円(返済元金のみ)

このケースでは、任意整理によって毎月返済額が約1,100円下がり、債権者への支払総額も約15万円減る可能性があります。ただし、専門家費用などを含めた実際の負担額で比較する必要があります。

事例2 借金200万円(実質年率18%)の場合

<ビフォー> リボ払いを継続(毎月4万円返済)
初月の手数料

2,000,000円 × 18% ÷ 12 = 30,000円

初月の元金返済

40,000円 − 30,000円 = 10,000円

完済までの期間

約7年10か月

支払総額

約372万円(うち手数料 約172万円)

<アフター> 任意整理で和解(60回払い)
将来の手数料

0円で和解できた場合

毎月の返済額

2,000,000円 ÷ 60回 = 約33,400円

完済までの期間

5年(60回)

支払総額

200万円(返済元金のみ)

このケースでは、任意整理により毎月の返済額が約6,600円下がり、債権者への支払総額は約172万円減る可能性があります。残高と手数料率が高い場合ほど、将来利息・手数料の減免による差額が大きくなりやすい一方、専門家費用などを含めて判断する必要があります。

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まとめ

リボ払いの返済が「手数料ばかりで元金が減らない」状態になっている場合、任意整理は解決策の一つです。

任意整理では、将来利息・手数料の減免や返済期間を交渉し、一般に36〜60回程度での完済を目指します。和解が成立すれば、完済時期と毎月の返済額が明確になります。

一方で、元金は原則として残り、信用情報にも影響します。毎月の返済額が必ず下がるわけではなく、60回払いでも返済できない場合は、個人再生や自己破産のほうが適していることもあります。

まずはリボ払いの新規利用を止め、すべてのカードの残高、手数料、毎月の支払額を書き出してください。そのうえで「残元金÷36回または60回」を計算すると、任意整理後の返済を続けられるか判断しやすくなります。

任意整理の対象かもしれない」「次の支払いが苦しい」と感じたら、新たな借入れで返済する前に、弁護士・司法書士や法テラスへ相談し、自分に合う手続きを確認しましょう。

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リボ払いの任意整理に関するよくある質問

リボ払いの任意整理を考える際、多くの方が抱える不安や疑問について、Q&A形式で回答します。

督促は依頼した当日から止まる?

必ず依頼当日から止まるわけではありません。専門家が債権者へ受任通知を送り、相手方に届いた後に直接の督促が止まるのが基本です。

通知の到達まで数日かかることがあります。貸金業者が受任通知を受け取った後は、正当な理由なく本人へ直接取立てを行うことが制限されます。

なお、督促が止まることと、返済を止めてよいことは別です。依頼後の支払いは、担当する専門家の指示に従ってください。

信用情報(ブラックリスト)は何年で消える?

「任意整理から一律5年」とは限りません。CICのクレジット情報は契約期間中および契約終了後5年以内です。

JICCの債務整理情報は、契約日が2019年9月30日以前なら発生日から5年を超えない期間、2019年10月1日以降なら契約継続中および契約終了後5年以内です。

完済後すぐにカードやローンを利用できるとは限りません。自分の登録内容を確認したい場合は、CICやJICCへ信用情報の開示を申し込みましょう。

任意整理でも元金が減るケースはある?

ショッピングリボの元金は、基本的には減りません。

ただし、キャッシングなどの金銭の貸付取引で、過去に利息制限法の上限を超える金利を支払っていた場合は、引き直し計算の結果、元金が減ったり過払い金が発生したりすることがあります。

ショッピングリボは利息制限法にもとづく引き直し計算の対象ではありません。ショッピングリボの元金を大きく減らす必要がある場合は、個人再生などを検討することがあります。

商品が引き上げられるのはいつ?

所有権留保付きの契約を任意整理の対象にした場合、交渉開始後に商品の返還を求められる可能性があります。

ただし、すべての商品が一律に引き上げられるわけではありません。実際の対応は、契約書や会員規約の内容、商品の種類・価値・状態、債権者の方針などによって異なります。

自動車や生活に必要な高額商品がある場合は、任意整理の対象に含める前に、所有権留保条項の有無と対象から外せるかを専門家へ確認しましょう。

家族カードや共同名義の借金はどうなる?

自分がクレジットカードの本会員である場合、任意整理によって本カードが利用停止になると、発行している家族カードも使えなくなる可能性があります。

共同債務や保証人付きの借金を任意整理すると、共同債務者や保証人へ請求が行われることがあります。

家族への影響をできる限り抑えたい場合は、対象から外せるか、その借金を除外しても家計上返済を続けられるかを専門家に相談しましょう。

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出典

一般社団法人日本クレジット協会「リボ払いの特徴と利用上の注意」
楽天カード「リボ払い」
三井住友カード「リボ払い」
法テラス新潟「スタッフ弁護士コラム 第二回目『債務整理』」
熊本県弁護士会「借り入れの任意整理」(公開日:2026年1月14日)
法テラス「弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、貸金業者からの連絡が止まるのですか。」
指定信用情報機関CIC「CICが保有する信用情報」
指定信用情報機関CIC「支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されるのですか?」
日本信用情報機構(JICC)「信用情報の内容と登録期間」
金融庁「貸金業法Q&A」
日本貸金業協会「お借入れの上限金利は、年15%~20%です」
日本貸金業協会「総量規制が適用されない場合について」
e-Gov法令検索「貸金業法」
e-Gov法令検索「利息制限法」
大阪地方裁判所「倒産部(第6民事部)」
裁判所「破産」
楽天カード「カード会員規約」
三井住友カード「会員規約(個人会員用)」
日本司法書士会連合会「最高裁平成28年6月27日判決を受けて(会長談話)」(公開日:2016年6月28日)
法務省「司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定」
日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」
法テラス「任意整理 費用の目安」
法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」
日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」

この記事を書いた人

債務整理メディアは、借金問題で一歩を踏み出せない方に向けて、債務整理に関する各手続きの違いや費用・リスクをわかりやすく解説している。公平かつ透明性の高い情報発信を通じて、利用者が再スタートを切るための最短ルートを示すことを目標としている。独自アンケートのデータを掛け合わせ、任意整理借金減額診断などの情報を詳細に整理。さらに、債務整理におすすめの相談先や、自己破産に強い弁護士・司法書士事務所についても具体的な情報を提供している。

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